<加藤拓也 監督 コメント>

いずれ決めなければならないことは沢山ありますが、この映画が追っているのはその決断ではなく、それを口に出せないまま並んで過ごしている数日間です。同じ部屋で寝て、食事をとり、隣で歯を磨く。そのどの瞬間にもずっと、言えていないことが二人のあいだに置かれたままになっている。この映画にあるのは、夫婦が丁寧にもてなされながら、言えていないことが二人のあいだに積み重なっていく時間です。 企画が始まってから四年が経ち、ここまで長く付き合ってくださったプロデューサーとキャスト、スタッフの皆さんに、この場を借りて御礼を申し上げます。秋、劇場でお待ちしています。

<黒木 華 コメント>

「夫婦」という、いちばん小さなコミュニティ。近い存在だからこそ言えないこと、不満、少しずつ生まれていく距離。その繊細な感情を、加藤さんは驚くほどリアリティのある台詞で描き出しています。だからこそ、一つひとつの言葉が鋭く胸に刺さるのだと思います。

<橋本 淳 コメント>

相手を思って紡いだ言葉は、受け取る側によっては暴力にもなり、癒やしにもなる。それぞれに正義があり、どちらも間違ってはいない。しかし、その正しさが交わらなければ、言葉はただの攻防になってしまう。
本人たちは必死に言葉を重ね、分かり合おうとする。そんな張り詰めた光景を少し引いた視点から眺めると、どこか滑稽で、思わず笑ってしまいそうになる。
その可笑しさと切実さが同時に存在していること。そして、リアリティのある緊張感の中で、登場人物たちの真意を探り続ける時間。それらすべてが、この作品の魅力なのだと感じています。

安藤忠雄建築に360°囲まれた空間。その中で流れる一瞬一瞬の空気。目の前で刻々と変化し続ける黒木華さんの繊細な揺らぎ。表現を削ぎ落とした先を見つめる加藤拓也監督。その世界を、各部署が刹那の機微まで掬い上げていく。宝物のような美しい光景が、映像作品となることでさらに輝きを増していました。

この作品の一端を担えたことに、心より感謝申し上げます。どうか、この作品が一人でも多くの方のもとへ届きますように。

<古舘寛治 コメント>

自然と人工物の間でいつも人間は悩むのだ。この異様なホテルと青々とした自然。
快適さと野生。いいとこ取りなど本当にできるのだろうか?私はできるだけ自然に寄っていたい。
そう、あのままもっとずっとカヤックで釣りをしていたかったのです(あ、カヤックは人工物だ汗)。

<吉田 羊 コメント>

言葉と身体の裏腹を
山あいのホテルに封じ込め
声にならない言葉たちを
カヤックのペダルでたきつける

女の心と身体
男の心と肉体
その溝は埋まるのか
なんてことを考えながら
試写を観た

加藤監督が作る極上の静謐
ぜひ映画館で
五感を研ぎ澄ませてご覧ください

1 2

3

4

RELATED

PAGE TOP