本作のメガホンをとったのは近藤亮太。2023年に第2回日本ホラー映画大賞を受賞し、その短編を長編映画化したデビュー作『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』(25)で新人らしからぬ卓越した映像センスと演出手腕を見せた、気鋭の若手監督だ。プロデューサーの松下剛は近藤の起用理由についてこう語る。「『この人は映画好きだな』と思ったんですよね。ホラー映画だけじゃなくて、映画全般に対する知識が豊富で、造詣も深い」。それを実感したのが、ギャガ配給した映画『サブスタンス』 (24)上映イベントでのトークショーだったという。作品に対する理解度、紐解き方に感銘を受けた松下は、岡田道尚が脚本に込めたビジョンを具現化するには、近藤のような鋭い感性をもった才能がぴったりだと判断した。

オファーを受けた近藤監督にとって本作最大の魅力は、「生成AIのような、目に見えないものに囚われている人たちの話」だったことだという。また、「普段、ホラーとして撮っている幽霊などとそう違わないんじゃないかと思って、親和性を感じたんです」と明かす。
