
―兄弟の死を自身の小説に綴ったベストセラー作家/ホリョン(キム・ナムギル)
ベストセラー作家のホリョンは、地域センターで出会った生徒ムニョンから聞いた話をもとに、小説を執筆する。
その作品は、ソクテの死を予言するような内容で、ベストセラーとなる。ある日、ホリョンの小説がソクテの死と奇妙に一致していることを知ったミンテは、彼を警戒し始める。自身の名声と作品を守るため、ホリョンは誰よりも先に事件の真相を突き止めようと動き出すー。
キム・ナムギルは、変幻自在の演技で観客を魅了し続ける名優。今回、本作でキム・ナムギルが演じるのは、自身の小説が不気味にもソクテの死を予言してしまうベストセラー作家ホリョン。物語のインスピレーションでありながら謎と共に姿を消したムニョンを追うなかで、彼の心に潜む葛藤や恐れ、そして執着が浮き彫りになっていく。キム・ナムギルはホリョンという謎めいた人物を多層的に演じ、観客を物語の核心へと引き込む。本人も「ダイナミックでありながら感情に深く入り込める作品」と語っており、その複雑で魅力的な演技が本作にさらなる深みを与えている。

―真実と共に消えたソクテの妻/ムニョン(ユ・ダイン)
ムニョンは、夫ソクテと暮らしながら、チャンモ率いる組織のカラオケラウンジで働いていた。夫のせいで不運な人生を歩み、最愛の娘とも離れて暮らしている。彼女は、地域センターで講師を務める作家ホリョンに心を開き、胸の内を打ち明けていく。そして、ソクテが命を落としたその夜ーームニョンは、跡形もなく姿を消す。
ユ・ダインは、国内外の映画祭でその演技力が高く評価されている演技派女優。本作では、数々の秘密を抱えた女性ムニョンを演じ、ソクテが死んだ夜に姿を消し、物語のミステリーを一層深める存在、ムニョンの、真実の裏に隠された複雑な感情を見事に表現している。