村上春樹による短編連作を実写化した井上監督は「読者が世界中にいて、それぞれの独特な読後感があって、それを裏切らないようにしたかった。震災そのものを扱うのではなく、そこから距離を置いている人を描いていて、そこに興味を持った。色々なイマジネーションを使って全スタッフ・キャストで取り組みました」と狙いを述べた。

1995年のパートで小村を演じた岡田は「一言で言うと、意志がない男。台本を読みながら、この男はどこまで流れていくのかと思った。そして辿り着いた先で彼の瞳には何が映るのだろうかと思いながら演じました」と役柄を紹介。村上春樹節の独特なセリフについては「村上さんの言葉が力を持っているので、自分でも発したいと思わせてくれる台本でした。その言葉をどこか違和感を持ちながら演じるのが正解だろうと思った」と述べた。
鳴海は、同じ兵庫県出身であり、憧れの俳優・堤真一との初共演に「インタビューでも大好きな俳優さんとして堤さんの名前を挙げていたくらいリスペクトしていて、こうしてしっかりとお芝居が出来て嬉しかったです」と念願叶って大感激。

宗教二世を演じた渡辺は「信じる、疑う、祈るとはどんなことなのか。監督と一緒にそんなことを考えました。ストーリーというか、観念的な事を監督と話し合い、それが演じる上での糧になりました」と役作りを明かした。
