さらに本作は釜山国際映画祭と台北金馬映画祭への出品のほか、台湾とフランスでの上映も決定している。西島は「日本だけでなく海外の観客にも観てもらえるのはとても嬉しいです。観客の皆さんが鑑賞することで完成する映画だと思っているので、どんなふうに感じてもらえるか楽しみです」と期待を寄せた。またルンメイも「いろんな国や文化を持った観客の皆さんが、どんなものを持って帰ってくれたか、どんな感覚を持ったかが気になりますし、それこそが映画を撮る上で1番素晴らしいところだと思います」と話し、真利子監督は「この作品を通して、いろんな方に触れ合えるのが自分の中でとても楽しみです」と笑顔を見せた。
そしてトーク終盤。劇中で夫婦が抱えてきたある“秘密”が明らかになる展開にちなみ、「今まで秘密にしてきたことは?」という質問に対して、西島は「最近は、けん玉にハマってます」と話すと、「ぜひルンメイさんにもプレゼントしたいので、釜山映画祭に持って行きます」と宣言し、会場からは拍手が。ルンメイも「楽しみにしています」と喜びを露わにした。一方のルンメイは、撮影中の西島の“秘密”を暴露。「西島さんは現場でずっとおやつを食べていて、机の上にいっぱいお菓子が置いてあるんです。しかも劇中の引き出しの中にもお菓子を隠してました」と暴露し、会場は大きな笑いに包まれた。

最後に西島は「深い愛情は必ず試される瞬間があると思います。悩みや苦しみを乗り越えた先にまた新しい試練が訪れる。そんな経験をしている方にこそ、この映画を観てほしいです。ラストに残るわずかな光や希望を感じてもらえたら嬉しいです」と観客に呼びかけ、ルンメイは「この映画は私の人生の中でも、素晴らしい思い出と経験を残してくれました。皆さんも本作を観ていろんな考えを持って、生活の中で素晴らしい反応を起こしてくれることを期待しています」と語った。真利子監督は「ようやくこの場所に辿り着けたという心境です。本作はやるべきことを丁寧にやった映画。ラストシーンでは皆さん思うところがそれぞれあると思いますが、答えは1 つではなく、何かが間違っているわけでもない。映画を観た後に誰かと喋って楽しめる経験にしていただけたらいいなと思います」と深々と頭を下げ、大盛況の中初日舞台挨拶は終了した。