この度、リバイバル上映に合わせて監督・キャストからコメントが到着。

<橋口亮輔 監督 コメント>
10年前、無名の役者を集めて満身創痍で臨んだ映画、それが『恋人たち』だ。極めて個人的な感情を映画にしたつもりが、公開してみると大きな反響と共感が広がった。
今回、10周年を記念してテアトル新宿で上映される。嬉しい反面、怖い気もする。時を経て、痛みに満ちたこの映画は今の日本の観客の目にどう映るのだろうかと。

<篠原篤 コメント>
ありがたいことに、今でも折に触れて「『恋人たち』が好きなんです」と声を掛けていただきます。あれから十年、長かったのか短かったのか、遠い昔のようで、昨日のことのような、まるで不思議な気持ちでおります。
ふと当時を振り返ると、今なお胸が詰まるような感情が鮮明によみがえります。同時に、あの渦中にいた自分へ微笑みかけ、「よし」と励まし続けてきた十年でもあったように思います。
改めて、監督をはじめスタッフ・キャストの皆さま、そして作品をご覧くださった皆さまに、心より感謝申し上げます。今回の貴重な上映の機会を通じて、再会と新たな出会いを楽しみにしております。

<成嶋瞳子 コメント>
10周年記念上映というこの機会を、大変嬉しく思っています。
皆で乗り越えたリハーサル、監督からの言葉、共演者やスタッフの皆様とのやり取り、撮影の合間にふと交わされた何気ない会話──その一つ一つが、今も鮮明に残っています。
当時の私は「変わりたい」と願っていました。けれど橋口監督が伝えてくださったのは、「変わりたいなら今の自分を肯定すること、そこからしか変われない」ということでした。
日常の中で自分を見失いそうになると、この現場の記憶がよみがえります。するとラストシーンの光景が目の前に広がり、何の制約もない自分に戻れるのです。
どうか、この作品が観てくださる方の心に届きますように。
10年前のことなのに、つい最近撮り終えたかのように──
心から願っています。

<池田良 コメント>
公開から10年経った今でも沢山の方に、『恋人たち』好きです、と声をかけて頂きます。その度に、観て下さった方々の心に残った作品なのだなと、実感してきました。僕にとっても人生を変えてくれた大切な作品です。また映画館で皆様に観て頂けることを大変嬉しく思います。
クランクインのシーン、橋口さんは僕のセリフを一字一句言い方まで演出されました。その言い方を真似して言うだけで必死だったのですが、出来上がった映像をみて僕は、ああ自分には確かにこういうところがある!と、自分について学ばせて頂きました。振り返るとあの瞬間が、プロの俳優としての第一歩だった気がします。
橋口さん、プロデューサーの深田さん、小野さんには、感謝しかありません。また20年 30年と、長く愛され上映して頂けることを願っています。
リバイバル上映中には監督とゲストによるトークイベントも実施予定。