河森監督は「私たちは多種多様な⽣き物たちと循環し、繋がっています。⿂を⾷べたら⿂と合体し、⽔を飲んだら⾬とも、外を歩けば太陽の光とも合体する。合体の連鎖の中で、みんなと共鳴し合いながら⽣きています」と同パビリオンに込めたメッセージを説明した。

また河森監督は映画『迷宮のしおり』について、「スマホには個⼈情報、検索情報、発信した内容が⼊っています。⾃分の分⾝であり、また⾃分と合体した⼀つの存在でもある。そんなスマホの世界に閉じ込められた栞が、迷宮から脱出することができるのか。またその間には、SNSで“1億いいね”を獲得するとSHIORIが現実世界を乗っ取ってしまう。栞とSHIORIの対⽐を描いています」とコメント。

SUZUKAは「新しい学校のリーダーズはSNS を通して世界中のみなさんに知ってもらい、ライブに集まっていただけるようになりました。SNSがなかったら、メキシコ(でのライブ)に8千⼈も集まらなかったはずなので、SNSには感謝しています。でも、SNSをやっていると『⾃分ってなんなんだろう』と分からなくなることもあります。⾃分⾃⾝の表と裏、陰と陽のバランスが認識できなくなってしまうんです」といろんな迷いも⽣じているとのこと。しかし『迷宮のしおり』に携わったことで、「悲しみ、葛藤、悔しい気持ち。この映画からは、そういう⼈間の揺らぎが美しく感じられます。陰の部分も⾃分らしさとして受け⼊れたいと思っていたときだったので、『迷宮のしおり』でそれを体現できたのはすごく嬉しいです」と⾔う。

さらにSUZUKAは、声優初挑戦に関して「私は声が低くて関⻄弁なので、『栞の声と合うかな』と⼼配していました。でも演じていくうちに、⾃分⾃⾝でも出会ったことがない⾃分の声が現れてきました。あらためて『固定概念ってないんだな。⾃分で⾃分の可能性を⽌めていたんだな』と思いました。⾃分には無限の可能性があることを知れました」と振り返ると、河森監督も「(声優初挑戦の)いろんなハードルを越えてくるプロセスが感動的でした。パフォーマンスをバリバリやっているSUZUKAさんにあえて声優を初体験してもらい、いろいろな葛藤がありながらそれを乗り越えてもらった。(作品の)世界に⼊り込んでくださり、理想通りの声になりました」と絶賛した。

トークセッションの最後には、SUZUKAが「スマホとの付き合い⽅=⾃分の⼈⽣との付き合い⽅という、新たな価値観が剥き出された映画です」と話すと、河森監督も「ネット社会のハードルを超えて、新しい世界に⼀歩踏み出していける映画になれば」とアピールした。

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