Dolby Atmosという立体音響技術によるリスニング体験が出来る環境での上映ということで、音へのこだわりを質問された豊田監督は「スピーカーがロッテルダム(第54回ロッテルダム国際映画祭)でぶっ飛びまして。意外なところで飛ぶんです。法螺貝の音なんですけど。それぐらいレンジがあるんだと思いました」とコメント。
また、「役者の声も音だし、無音になるシーンとかもあるので。全体で、今回は音響演出の北田雅也さんと一緒に設計しながら作った映画です。ここ、ものすごいので。低音が椅子をびりびりびりびりさせると思うので、いいマッサージになると思います(笑)」と会場の109シネマズプレミアム新宿の音響を絶賛していた。
最後にマイクを握った窪塚は「冒頭でも言ったんですけど、豊田版『火の鳥』という感じです。『狼蘇山』シリーズの完結編になるんですけれども、『この世界線の、似てるんだけど違うシチュエーションってどんな感じなんですか?』って監督に聞いたら、『分かんない』っていう返事が来て。それで分かる。つまり、可能性としてのパラレルワールドって無限じゃないですか。言い換えれば、余白がすごく大きな映画で、普段は見慣れていないぐらいの余白を持っている映画だと思うんですよ」とコメント。
「そこを皆さんの想像力で埋めていってもらって。何なら、その前にある3作も見ていただいて、自分なりのストーリーだったり、自分なりの解釈だったり、『こいつはこいつの転生なのかな?』とか。『これとこれはこう繋がってるのか』みたいなところも含めて、全体の豊田さんの『狼蘇山』という世界観を堪能していただけたら本望です」と力説していた。松田は「窪塚くんが言った通りで、ちょっとした閃きと気づきで、可能性は無限大になるんだなっていう映画だなと思いました。楽しんでお帰りください。ありがとうございます」と語り、豊田監督は「この映画は、観客を宇宙の果てまでぶっ飛ばそうと思って作りました。そういう映画になっています。どうかあまり考えるんじゃなくて、立体音響でものすごく良い環境なので、体験してください。今日はどうもありがとうございます」と呼びかけていた。