今年3月に、サザンオールスターズとして10年ぶりのオリジナル・アルバム『THANK YOU SO MUCH』をリリースし、13箇所26公演の全国アリーナ&5大ドームツアー『LIVE TOUR 2025「THANK YOU SO MUCH!!」』を完走した桑田佳祐。デビューして47年を超えてもなお、止まることなく精力的に活動し続けていますが、どんな活動でも真っ先に本人の言葉を聞くことのできる場所として、音楽ファンから長年愛聴されているのが、レギュラーラジオ番組「桑田佳祐のやさしい夜遊び」。
1995年4月の放送開始以来、毎週土曜日23時からTOKYO FMはじめJFN 38局ネットで放送中の本番組も、ついに大台に突入し、今年4月に放送30周年を迎えた。TOKYO FMも今年4月に開局55周年を迎えたことから、「番組と局が大きな節目を迎えるにあたり、何か特別なイベントをやりませんか?」と、TOKYO FMから桑田に提案。賛同した桑田佳祐が「九段下フォーク・フェスティバル’25」を企画発案し、一夜限りのスペシャル・イベントが、日本武道館で開催されることになった。
10月12日。台風一過で心地よい秋風が吹き抜けた東京で、ひときわ多くの人が集まり、異様な熱気を放っていたのが、「九段下駅」からほど近い日本武道館。今年8月に、桑田佳祐のレギュラーラジオ番組で「九段下フォーク・フェスティバル’25」の開催が突如発表されると、9,000人のキャパシティに対して、たちまち数十倍の応募が殺到。 “The・秋の文化祭(ミュージック・フェス)”と打ち出された本イベントは、洋邦問わずギター1本持ち寄れば気軽に誰でも楽しめる“フォーク・ソング(大衆音楽)”への愛とリスペクトが込められている。特に注目を集めていたのは、桑田佳祐に加えて“他ゲストあり”と書かれていた一文。開演前から「もしかしたら?」という憶測が飛び交い、期待が熱気に変わり会場内は独特の緊張と興奮で包まれていた。
開演時刻になり、まずは唯一事前に発表されていた前座(=オープニングアクト)の田内洵也が呼び込まれた。田内は都内近郊のバーを拠点に“流し”として研鑽を重ねてきたシンガーソングライターで、2017年にバーで田内と桑田佳祐が出会ったことをきっかけに、自身の楽曲「深川のアッコちゃん」を桑田が“夏 螢介 a.k.a KUWATA KEISUKE”名義でプロデュース・編曲する流れになり、さらには本イベントの前座の大役を任せられたという、数奇な幸運を掴んだ男。ギター一本で「深川のアッコちゃん」を弾き語りし、会場を惹き込みました。当該曲がCDシングルとして11月19日(水)に発売されることも紹介時に発表された。