また、病気発覚の瞬間も振り返り、「キャンプ中にフライを落としたり空振りばっかりしたりおかしいと思って検査を勧めたら、ちょうど金本知憲監督の元レギュラーを掴みかけている時で本人は行きたくないと。それでも絶対行ってこいと言ったら、翌日『脳腫瘍と診断されました』と。本当に限界だったと思うけど、それだけ我慢強かった」と当時の様子を語った。

病気が寛解して、育成選手として背番号124番で戻ってきてからも孤独なトレーニングが続いた横田選手。「そこはもう映画の通りですよ」と平田は話す。続けて、「もう見えてないんですよ。だから、必死になってボールを探すんです」と明かし、「バッティングでも、皆は当てさせようとして軽く投げるんですけど、僕は空振りしても、普通の選手と同じように投げました」と涙をこらえきれず、「思い出すとダメだね」と苦笑いする場面も。集中して話に耳を傾けていた松谷も両頬を濡らしていた。

そんな平田の言葉を受けた秋山が「彼の頑張りは、とんでもないことだと思うので、1 人でも多くの人に知ってほしいというのが僕らの願いです」と作品に込めた思いを明かすと、平田は「この映画を見て、横田という人間の生き様もそうですが、お母さんや周りで支えた人たちの愛情を感じてほしい、こういう時代にすごくいいタイミングで素晴らしい映画ができたなと僕は思うんです」と作品を称賛。

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