一方で、スピッツの音楽と長く寄り添ってきたキャストたちも。双子の涼と恵の幼なじみ・梶野茂役の宮沢氷魚は、子どもの頃から自然とスピッツを聴いて育ってきたという。「高校生 大学生 社会人になってから、だんだん曲の深みというか、“こういうこと言いたかったんだ”というのが分かってからより好きになりました」と年齢を重ねて変化する“聴こえ方”の魅力を語った。

カメラマンとして働く涼のアシスタントで、涼を慕う遠藤日和を演じた石井杏奈は、大人になってから改めてスピッツの魅力に気づき、さまざまな楽曲を聴くようになったという。「優しいスピッツさんのあの世界観が映画にも反映されていて、みんなそれぞれ健気に一生懸命自分を生きている感じが、すごく人間味があって素敵なお話だなと思いました」と、音楽と物語の共鳴に心を動かされた様子で語った。

そして、亜子の行きつけの店の店長で、よき相談相手でもある辻雄介役をつとめた宮近海斗は、「歌から広がった物語を映像にすると聞いた瞬間に、この作品に関わりたいと思いました。出演のお話をいただいた時点で、断るという選択肢はなかったです」と振り返り、出演オファーを受けた喜びと、同じく音楽活動を行う者としてスピッツへの敬意をにじませた。

本作の監督を務めた行定勲は、「曲はものすごく透き通っていて心にすごく残るものだったりするのに、詩の世界は非常に奥行きのあるもの」と語り、「映画もそうあるべきだと思った」と、楽曲の余韻をそのまま映像で描こうとした制作への想いを明かす。

映像の最後に、福士は「映画とスピッツさんの「楓」という楽曲を見比べて聴き比べて、よりこの作品が深まるんだろうなと思いました」、福原は「辛い時、悲しい時、そっと寄り添ってくださる曲」と、それぞれにスピッツの音楽が持つ“寄り添う力”への敬意を込めてコメントしている。

インタビュー特別映像“楽曲編”はこちら https://youtu.be/_VPDQ34I3MY

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