出だしから熱気がほとばしる会場に、河森監督は「この間、スペインのシッチェスで上映したのですが、アジア、⽇本では初めて観ていただける機会なので、少し緊張しています」と語ると、SUZUKAも「⽇本の皆さんに観ていただけるというのが、とても重要だと感じているので、素晴らしい才能を持った河森監督率いるチームで作り上げたこの『迷宮のしおり』を早く皆さんにも観ていただきたいです」と期待を煽っていた。

これまで数々の作品を⼿掛けてきた河森監督だが、オリジナル⻑編アニメーションは本作が初となる。「やっぱり、完全にオリジナルなのでどんな⾵に受け取っていただけるかすごく気になります」とやや不安そうな表情を⾒せつつも、出来には⾃信をのぞかせる。河森監督は「最初に企画を思い⽴ったのは、10年ぐらい前によく⾃分のスマホを割ってしまったり、なくしてしまったりすることが続いたんです。その時、スマホって⾃分の個⼈情報がたくさんつまっているので、ある意味で⾃分の分⾝だと思ったんです。割ったり、置き忘れたりすることって、⾃分⾃⾝のどこかが割れていたり、⾃分の⼀部を置き忘れてしまったのではと。そんな感覚って今の時代誰でも感じていることなのかなと思ったとき、映画になれば、皆さんが共感できる、誰が観ても楽しめる作品になるのではないかと思ったんです」と企画の経緯を語っていた。

