撮影中は、奇跡の連続だったと語る本作について秋山監督は「横田慎太郎くんの人生を映画として遺すことが、こうやって実現したこと。これこそが本当に奇跡だと思うんです。彼も映画を観るのを楽しみにしてくださっていたので、元気なうちにその約束を果たせなかったことにすごく悔いが残ります。しかし、こうやって松谷鷹也という新人に慎太郎さんの役をやってもらって、すごい俳優が集まり、ここに立てていることが一番の奇跡だと僕は思います」とかみ締めるように語る。

そんな映画が完成した今、天国の横田慎太郎さんにどのような言葉を贈りたいか。そうした問いかけに、松谷は「慎太郎さんと出会ってから4年くらい経つのですが、慎太郎さんと一緒に歩んでいったこの4年間というのは、僕にとってすごい宝物のような時間でしたし、こうして映画が完成した今、ひとりでも多くの方に慎太郎さんの人生を知っていただけるように、公開まで自分のできることを全力でやっていきたいと思います。引き続き見守っていただけたら嬉しいです、という風に伝えたいです」とコメントするも、その瞳からはみるみるうちに涙があふれてくる。そんな松谷を見た鈴木が松谷の背中を優しく撫でる様子は、劇中さながらの親子の絆を彷彿とさせ、会場を温かい空気が包み、会場からも大きな拍手が送られた。続けて松谷は横田さんの人柄について「本当にまっすぐな人で。でもどこか少し抜けているようなところがあったんですけど。目の前のことにただ一生懸命、ひとつひとつに目標を立てて、1日1日大切に生きていくような、そんな方だったと思います」と振り返った。

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