⼤作映画が同⽇公開され、迎えたこの3連休。『⽕の華』の公開が始まるやいなや、約1年間待ちかねていた観客が渋⾕ユーロスペースに押しかけ、舞台挨拶回は全て満席で、3連休の動員率は85%超えの⼤ヒット。主演の⼭本⼀賢と⼩島央⼤監督の対談や、⾃衛隊⽇報の開⽰請求を⾏い、防衛省の⽇報隠蔽発覚のきっかけを作ったジャーナリスト布施祐仁や、⾃衛官のメンタルヘルス対策に携わってきた元⾃衛隊精神科医官で医学博⼠の福間詳、実際に南スーダンにPKO 派遣された元陸⾃衛隊員の⼩⼭修⼀によるレビューなど、本作の魅⼒を多⾓的な視点でひも解くパンフレットの購買率はなんと35%。上映後のサイン会には毎回⻑蛇の列ができ、ロビーは異様な熱気に包まれた。

昨年のマスコミ試写では満席になり、作品への評価が⾮常に⾼い作品でありながら2024年11⽉に出演者兼プロデューサーの起訴を受けて同年12⽉に公開延期となっていた本作。公開延期の原因となった刑事事件が今年2025年4⽉に終結したことを受け、劇場公開が決まった。公開前には、俳優・池松壮亮や藤原季節、監督の瀬々敬久ら映画⼈ほか、漫画家の新井英樹、⼩説家の佐藤究、芸⼈の千原ジュニア、戦史・紛争史研究家の⼭崎雅弘ら各界の著名⼈29名から絶賛コメントが到着。10⽉31⽇発刊の新聞各紙では「暗さに⽀配された画⾯設計が、簡単には読み取れない⼼の傷の深さを、静かに、重厚に浮き彫りにしていく」(朝⽇新聞)、「命を奪う重く冷たい銃声から、⽣命⼒が輝く花⽕のさく裂⾳へと転換する様⼦に、⼩島央⼤監督らの思いが詰まっている」(毎⽇新聞)、「⼩島央⼤監督は、⽕がつかさどる創造と破壊の両⾯を追求する」(東京新聞)など、⼩島監督の⼿腕を絶賛する映画評が並んだ。

⼩島監督の前作『JOINT』でいち早く⼩島監督に着⽬し、公開延期を受けてもなお、作品の持つ⼒を信じ劇場公開に踏み切ったユーロスペースの北條誠⼈⽀配⼈は、この盛り上がりに「上映が終わるごとにおこる拍⼿の波。監督に話しかける⼈の多さ。邦画洋画問わずに最近にはない熱さを感じます。この11ケ⽉が無駄ではなかったことを確信しました」と驚きと確信を語っている。

奇しくも、公開直前に新政権が発⾜し、防衛⼒の強化⽅針が明らかになったが、そんな中で平和のあり⽅を問う『⽕の華』がどのように広まっていくかに期待が集まる。

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