第37回東京国際映画祭にて、本作の上映後舞台挨拶に主演の長塚京三さんと吉田大八監督が登壇。ティーチインが実施された。
上映後に登壇した長塚は「余計なことかもしれませんが、今年で僕が映画俳優になって50年目だそうで。今日こうして皆さんが映画を観てくださったことも、お祝いの一つとしたいです」と挨拶。一方、吉田監督は、本作の制作経緯に触れながら「ある程度自分がこれからどのように歳をとっていくのかと想像し始める年齢になって、そんな時に筒井さんの原作小説を30年ぶりに読み直しました。僕は物事を考える時に自分でそれを映画化することで深く考える事が出来るので、まずはなんとなく脚本化してみました」と明かし、「この映画は自分にとっても社会にとっても大事な問題を考えるきっかけになったと思う」と話した。
本作への出演オファーがあった当時を振り返った長塚は「まるで私を当て込んで作ったような話のようで、これも何かの縁だと思いました。吉田監督自ら脚本を携えて会いに来てくださって、即答でお引き受けしました」と語った。これに吉田監督は「当初は原作者の筒井康隆さんを想像して脚本を書いていたが、途中から長塚さんが儀助のイメージとして浮かび上がってきて、そこから長塚さんが動き出して止まらなくなった」と話した。