本作では、子供たちも物語のキーパーソンとして映し出されている。兄(オダギリジョー)と加奈子の娘で、現在は母・加奈子と暮らす満里奈を青山姫乃、兄に引き取られた弟・良一を味元耀大が演じる。2人は共にオーディションで中野監督の目に留まり、抜てきされた。

青山は本作が初映画出演となるが、監督は経験値における不安を跳ねのけても彼女の起用を希望したという。「“この映画には彼女が必要。最終的に絶対に良くなる”と姫乃ちゃんに賭けました。姫乃ちゃん自身がとてもたくましい子で、現場でもすぐに満島さんと打ち解けて、楽しそうにおしゃべりしていました」と、青山のたくましさに助けられたと明かした監督。母親役の満島も8月に行われた完成披露試写会にて、「初めての映画なのに肝が据わっていた」と、青山を称賛した。

一方、兄と一緒に暮らしていた息子・良一を演じた味元について監督は、「こんな子役がいるんだ」と、驚いたという。さらに、「良一は物静かな子のためちょっと陰のある子役を探していたのですが、味元くんはその部分を持っているだけでなく、オーディションの時から自分のリズムで芝居をしていました。大体オーディションでは与えられたセリフを言うものですが、彼はその時点で自分自身の言葉にしようとしていたのです。とても珍しくて面白い逸材だと感じ、選びました」と、味元の繊細な感性に惹かれたと語った。

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