しかし、ドキュメンタリーの制作を中⽌することはなく、「死ぬわけじゃないらしいので、このまま撮影を続けてくださいということはお伝えしました。ちょうどその頃にBiSHの解散ラストシングルの話が来て。たまたま監督がBiSHのドキュメンタリーを撮っていたんです」と振り返った吉井。

しかし、宮地監督⾃⾝はこの偶然の繋がりを把握していなかった。「BiSHは2017年ぐらいからずっと撮っていたんですけど、吉井さんにBiSHからオファーがいったというのは、吉井さんから聞いたんです」と明かした宮地監督。「僕が吉井さんのドキュメンタリーを撮っているということを、BiSH側に伝えていなかったんです。そこがたまたま結びついたんです」と語り、運命的な結びつきに感慨深い様⼦だった。
吉井のドキュメンタリーを撮るにあたり、「最初はすごく緊張していたんですけど、吉井さんは最初からフレンドリーに接してくれた」と語る宮地監督。そのやり取りは事務所を介さず、吉井と宮地監督が直接やり取りを⾏った。
劇中では、助⼿席に乗った宮地監督が、運転する吉井の姿を映すシーンがしばしば登場したが、それは吉井が宮地監督を⾞で迎えに来たところで撮影したものだったという。吉井も「⾃分の⾞もありますけど、最後の⽅はレンタカー。⾃分で⼿配して借りてますからね。僕が(レンタカーの)⾞の傷もチェックしましたからね……なんだか急に腹が⽴ってきた(笑)。普通こういうのはマネジメント側が⽤意しますよね」と冗談めかしながらも訴えかけて、会場は笑いに包まれた。