そんな中、「これはノロケ話ではないんですけど、撮影期間中に恋⼈だった⼥性と結婚したんです」と明かした宮地監督に会場からは祝福の拍⼿が。その拍⼿に照れくさそうな顔を⾒せた宮地監督は「吉井さんやEROさんを撮影して、家に帰ると『吉井さんの撮影をするたびに優しくなってるよ』と(妻に)⾔われたことがあって、それがすごくうれしかったんです」と告⽩。「振り返ってみれば、吉井さんやEROさんの優しさをすごく思い出す3年間だったなと思っています」としみじみ付け加えた。

そんな宮地監督の朗らかな姿に吉井も「ドキュメンタリーのカメラマンの⽅って、(映像の)切り取り⽅とか繋ぎ⽅とかクセが強い⼈もいたりするんですけど、宮地監督はすごく品が良くて。僕はそこですごく油断してしまったというか。⾒事に後ろから抱かれてしまったというか。だから、僕の魂が撮っているみたいな感覚。(監督と)⼀⼼同体な感じが絶対伝わると思うので。EROさんだってあんな⾵に(撮影)初⽇から⼈を部屋に⼊れないんですよ。でもあのEROさんが、あの猛獣が、フニャンとなっちゃったんで。そこを注⽬して観ていただきたいです(笑)」とコメント。すると宮地監督が「僕もドローン宮地じゃないですけど、カメラが本体(=⾃分の⾝体)かなと思う時もあるんです。カメラを回さずに吉井さんと会話したことって、最近のプロモーション以外なくて。カメラが本体だったのかなと最近思います」としみじみコメント。すると、すかさず「(頭がカメラになっている)映画泥棒みたいな感じですね」と⾒事なツッコミを⼊れる吉井。間もなく始まる本編の前に流れるであろう“NO MORE 映画泥棒”のマナーCMを脳内に想像した観客たちは⼤いに沸いた。
そして、これから本編を観る観客に向けて宮地監督は「僕は、吉井さんがEROさんの家で過ごしてる時間がすごい好きで。先ほど吉井さんがおっしゃった、時間がさかのぼるような感覚というのを、撮っている僕もちょっと味わったんです。年齢とともに⼈間って変わると思うんですが、ふたりの間に流れている空気みたいなものは、昔から変わってないんだろうなと感じた瞬間があって。そこに永遠みたいな、ずっと続きそうなものを⾒た感じがありました。きっと皆さんにも、吉井さんにとってのEROさんのような存在の⽅がいらっしゃると思います。その⼈のことをちょっとでも思い返してもらえたら幸いです」と呼びかけた。