実在の人物である<兄>を演じたオダギリジョー。実在の人物を演じる上での取材や準備について聞かれると、「監督から撮影の前に、村井さんにオンラインでお話しを聞く機会があるのですが参加されますかとお声がけいただいたのですが、それを断ったんです。」と、事前取材を断っていたことを明かした。「何となく、知るのが怖いというか、今から演じる人のことを、答えを先に見せてもらいたくないと言いますか、(自分で)探していきたいと思ったんです。」と打ち明け、「(村井さんを)目の前にして失礼なんですが、原作もあえて読まなかったですし、監督が書かれた脚本だけを信じて、監督との作業だと思って演じました。」と、撮影時の心境を語った。
これに監督は、「何となくオダギリさんはそういうスタイルだと思っているので、今回も参加しないならしないで良いかなと思っていました(笑)。でもその分、僕が村井さんにたくさんお話を聞いて脚本にちゃんと反映させていたと思うので、それを信じてオダギリさんが演じてくれた兄を、村井さんが見て『本当の兄みたい』と言ってくれたのは、嬉しかったです。」と語った。

そんなオダギリジョーが演じた<兄>について村井氏は、「見た目こそ兄とは違いますが(笑)。例えばお葬式のシーンでお金を無心する場面や、スーパーで焼きそばを買う場面、アパートで履歴書を書いているシーンなんかは、本当にびっくりするぐらい兄と雰囲気が似ていて、すごいなと思いました。」と、見た目は違えども兄の面影を感じたことを明かした。それを聞いたオダギリジョーは、「そう思ってくださっていたことを初めて聞きましたし、それは偶然です!」と冗談交じりに返しつつ、「でも、嬉しいです。」と、喜びをにじませた。
6割は原作から、2割は村井さんへの監督取材、そして後の2割が監督のオリジナル要素でつくられた本作。「文字と映像は別物なので、それを面白く見せるためには原作の要素だけだと難しいですが、原作の大切な部分はぶらさずつくります。ということは村井さんにはお伝えしていました。」と監督。さらに、村井氏への取材の中で明かされた“お兄さんと焼きそばのエピソード”など、原作にない話も取り入れたという。
