まず映画『楓』に関するトークへ。脚本を読んだ際の印象について福士は「双子役で、もう一人のフリも演じる場面がありました。『楓』という曲から生まれた物語の可能性を感じたり、歌詞のつながりが分かって曲の聴き方が変わりました」とコメント。福原は「とても切なくて胸がぎゅっとなる作品です。誰もが経験する別れや喪失を包み込み、観終わったあとに前向きな気持ちになれる温かさがあります」と語った。

スピッツとのやり取りや、原案となった楽曲「楓」への思いについて、行定監督は「スピッツさんは日本を代表するバンドです。試写会ではほとんど会話がありませんでしたが、終わった後に僕と会って話すのが緊張したと聞きました。「楓」は草野さんが30年前に静かな曲として書いたもので、30年前の自分に“いつか映画になるよ”と言ってあげたいくらい美しい映画だと言ってくださったと聞き、とても嬉しかったです」と特別なエピソードを明かした。

続いて、お互いの“意外な一面”や撮影中のエピソードについて、福士は「福原さんはピュアでまじめな方で、亜子に対しても愛を注いで演じていると思いました。それから編み物がお好きで、ニュージーランドでもウールを買って編み物をされていました」と語り、福原は「福士さんはストイックで努力家ですが、意外とお茶目な一面があります。おうちのシーンではぬいぐるみに話しかけていて、緊張をほぐしてくれました(笑)」とムードメーカーな福士の一面を明かした。

映画の見どころについて、福原は「ニュージーランドの景色をぜひ楽しんでください。テカポ湖は日によって表情が違い、大スクリーンで観ると胸に迫ります」と紹介。行定監督は「約20年ぶりに実直なラブストーリーを作りました。楓の花言葉“遠慮”のように、お互いに踏み込めない距離感を丁寧に描いています。情緒的なものを大切にし、観る人それぞれの感情に触れられる作品です」と語り、福士は「人間らしい恋愛とドラマが描かれています。劇中で“慮おもんぱかる”という言葉が登場しますが、それぞれがお互いを“慮る”姿が輝いて見える。恋愛映画であり、人間ドラマでもある作品です」とコメントし、「めっちゃええ映画やで、観てな!」と関西弁でアピールした。