さらにお気に入りのシーンについて、福士は「外来語禁止ゲームが好きです!ほのぼのした中に、それぞれが抱えるものが滲む“二面性”のある場面です。お互いに偽っている状況で、涼と亜子どちらの立場でも胸が苦しくなります」と語り、福原は、「テカポ湖のシーンは、あの場所だからこそ出てくる感情がありました。お互いに抱えていたものがすべて解き放たれるようでした。目を見ているだけで泣きそうになる、忘れられないシーンです」と思い入れを明かした。

また本作では、楽曲「楓」をSUPER BEABERの渋谷龍太とシンガーソングライターの十明(トアカ)がカバーアーティストとして歌っている。監督は「スピッツの『楓』はすでに多くのアーティストがカバーしていて、映画の中でリフレインさせたいと思いました。男性ボーカルは過去の記憶、女性ボーカルは真実へ導く声、合唱は確かな思い出。最後にスピッツの原曲が流れることで、登場人物の軌跡が一気に浄化されるような構造にしました」と語った。

イベントの締めくくりには、福士が「色が移りゆく楓の葉のように、観るたびに印象が変わる作品です。12月19日の公開後にも、是非もう一度ご覧になって噛みしめてほしいと思います」、福原が「誰もが経験する別れの気持ちを、ぜんぶ優しく包み込んで前へ踏み出してくれるような、あたたかい作品になっていると思います。大切な人とこの作品を観てほしいです。2回、3回と観ていただくと、“この時こういう気持ちだったんだ”と気づくことができると思います」、そして行定監督も「ラブストーリーは観客それぞれの物語でもあります。皆さんの感情に寄り添える作品になっていたら嬉しいです」と呼びかけ、会場はあたたかな拍手に包まれた。

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