最後の瞬間まで創作に取り組んできた坂本さんについて「坂本さんは選んだわけでもないのに病気になりました。そしてその意味においては、わたしはまだ⽣きている。皆さんも⽣きている。でも、いつ死ぬかわからない。分かっている⼈もいるかもしれないが、みんな違うんです」と語った⽥中。その上で坂本さんの⽇記には「死ぬことだけに囚われていたわけではない。全くの孤独で⽂字を書いてはいません。絶望も書いてはいません。『悔しい』と⾔っているんですから」と続け、観客に向けて「皆さん暗くなる必要はないです。僕たちは死ぬんです、間違いなく。そして間違いなくたった⼀回の⼈⽣を送っています。これが⼀番⼤切なことなんじゃないですか」と強調した。

そしてあらためて坂本さんの魅⼒について問われた⽥中は「それを⾔葉で⾔わなきゃいけないんですか︖」と笑いながらも、「⼤⼈だったら⻑いものには巻かれろで、それでいいじゃないかとか⾔うのを、絶対に『うん』と⾔わないで⽣き続けた⼈なわけじゃないですか。そういった意味では “ガキンチョ坂本⿓⼀”というか。皆さんもたぶん彼に共感するのは、そういうところなんだと思うんです。そういう⼈に会いたくて、僕は⽣きています。たぶん皆さんもそれに近い感覚をお持ちだから、今⽇⾜を運んでいるんじゃないでしょうか?」とかみ締めるように語る。

そして最後のメッセージを求められた⽥中は「⼈間って死んでいった⼈のことは忘れるようにできているんです。だからこそ墓⽯とか、お盆とか、銅像を作ったりするわけですが、でもそんなことは忘れましょう。坂本⿓⼀という名前すら忘れてもいいのかもしれません。彼がくれた刺激を忘れないようにすれば、それでいいんじゃないでしょうか。ぜひこの映画のこと、誰かに伝えてあげてください。それがたぶん坂本さんへの⼀番の供養かもしれません」と語りかける。続く⼤森監督も「⼤⼿を振って『観てね』となかなか⾔い難い⾯があるタイプの映画ではありますが、作品が、深く、静かに、じんわりと浸透していくといいなと思っています。できれば⾝近な親しい⼈、あわよくばその隣の⼈まで、多くシェアしてくださるとありがたいなという気持ちでいっぱいです」と呼びかけ、会場からは⼤きな拍⼿がわき起こった。

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