本作で⾼杉が演じる⼭吹は、他者を思いやるとにかく優しい⼈物として描かれている。彼がそんな役を演じるにあたり、⼼がけたこととは何だったのだろうか。「彼を演じる中で、彼がどういう⾵に⼭吹という⼈になっていったのか、その過程は理解できるなと思います。きっと“優しい”という⾔葉が嫌いなんだろうなと思って演じていました」と役柄を分析。さらに、「僕⾃⾝は“優しい”という⾔葉はあまり褒め⾔葉だと思ってないというか…。客観的に⾒て、『優しい』と⾔ってもらえることって、意外と⾃分のためだったりすることも多いですからね」と⾃⾝の考えを明かすと、優しいという⾔葉に込められた深い⼼理を説いて場内を唸らせていた。

⼀⽅、⼭吹の⼩学校時代の幼なじみ・頼を演じた伊藤と⾼杉は今回で3度⽬の共演。「もちろん役によって雰囲気がガラッと変わる⽅だなという印象はあるんですけど。でも、⾼杉さんは⾼杉さんだな、みたいな」と、⾼杉への信頼感を伊藤がコメント。⾼杉も「でも最初にご⼀緒した時よりお話することができたと思います。お互い⼤⼈になりました(笑)」と今回の撮影を振り返っていた。

⼭吹の初恋相⼿・かな⼦を演じた深川は、⾃⾝の役どころについて「分かりやすい⾔葉を使えば『あざとい』⼥性のくくりになるかもしれない」と分析する。「でもそれだけじゃなくて、⼩さい頃からの⺟親との複雑な関係があったり……100%意識していたらあざといになるかもしれないですけど、無意識でやってしまっている部分もあるのかなと。かな⼦の⼈⽣をぜひ⾒届けてほしいです」と印象的な役柄をアピールした。

劇中でのかな⼦は、⼭吹をめぐって、伊藤演じる頼と三⾓関係のような関係性にあるが、実際の⼆⼈は⼤の仲良しだという。役柄上は⾔葉を交わすシーンは少なかったものの、撮影の合間に⼀緒に出かけたりもしていたそうで、思わず「あ、そうだったんだ。へえ……」と⼆⼈の交流に驚きの表情を⾒せる⾼杉の姿に会場はクスクス笑い。伊藤も「同じシーンが少ないからこそかな、という感じです」と笑顔で付け加えていた。

そして⼭吹の姉・紅を演じた向⾥は、⾃⾝の⼦ども時代を演じた⼦役について「本当にそっくりですよね」としみじみ。彼らをキャスティングするにあたり、向⾥と⾼杉の幼い時の写真を参考にオーディションを⾏ったと明かした森ガキ監督。それを聞いてあらためて向⾥が「幼少期の紅がなんとか家族を繋ぎ⽌めておかないとって踏ん張ってる感じがあって。常に⼒が⼊ってるんですよ。それがすごく良くて。それを⾒てるだけで私はもう、グッとしてしまいました」と紅の⼦供時代を演じた⼦役に⼼動かされた様⼦。さらに、⼀緒に共演した⾼杉について「本当に好⻘年ですよね。優しいし」と語ると、その“優しい”という⾔葉にドッと沸いた会場内。⾼杉も「(優しいというのは)本当にそうか分からないですよ」と冗談めかしつつ、「そう⾔ってもらえるのはうれしいです」と素直な笑顔を⾒せていた。

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