本作のメガホンをとったのは、自身のYouTubeチャンネル「kouichitv」の登録者数が89万人(2025年11月現在)を超える動画クリエイター・コウイチ。

YouTube上で展開される独特の世界観は、若者を中心に熱狂的な支持を集めている。コウイチ監督が手掛けた初の短編映画『最悪な1日』は札幌国際短編映画祭で特別賞を受賞し、短編映画『消えない』は、21年にYouTube で公開されるや大きな話題となり、再生回数は494万回(2025年11月現在)を突破するなど、短編作品のクオリティも高く評価されてきた。

そんなコウイチ監督が、オリジナル作品『とれ!』で監督・脚本を務め、初となる劇場長編映画監督デビューを果たした。『とれ!』は、高校3年生の美咲(中島瑠菜)と、親友の皐月(まいきち)が、一攫千金を狙い動画投稿サイトにVLOGをアップするところから始まる物語。美咲が何気なく投稿した動画に“霊のようなもの”が映り込んだことで一気に動画がバズり、広告収入を得た2人の動画撮影は次第にエスカレートしていく。やがて、廃墟での撮影に挑戦するが、その後、美咲は和装でお面を被った 一風変わった“神様”に憑きまとわれるようになる。

今回の映画化について、当初は短編作品の『消えない』の再生数が伸びたらそれを長編化しようという話があったというが、『消えない』を無理に長編化しても面白くならないと考えたコウイチ監督は、「高校生くらいの年齢層の方に観てほしい」という思いから、高校生を主人公にしたティーン向けの作品として新たに構築する方向へ舵をきったという。

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