御年75歳を迎えながら益々活躍の場を広げている俳優・舘ひろし。「あぶない刑事」シリーズで見せる“ダンディー”な一面は多くのファンを魅了し続けてきたが、近年では、『ゴールデンカムイ』(24)で70代の土方歳三を演じ、“渋カッコいい”という、現在上映中の『港のひかり』(25)で弱視の少年と目に見えない絆で結ばれていく元ヤクザの“おじさん”を演じ、各界から高い評価を受けている。
そんな舘の主演最新作はまさかの〈コメディ〉ジャンル! ダンディー、渋い、カッコいい・・・ これまでのパブリックイメージ全てを覆す、舘ひろし史上最高の“ドタバタコメディ”が誕生!映画『免許返納!?』が2026年6月19日に全国公開される。
本作で舘ひろしが演じる主人公は映画スター・南条弘(なんじょうひろし)。順風満帆な俳優人生を歩み続け、最近では芸術映画でも数々の映画賞を総なめするまでに至った南条だが、心の奥底では「アクション映画をやりたい」と常々思っていた。さらに自身の古希を祝うパーティーで、若い頃から付き合いのある俳優仲間から「芸術映画なんかやって、必死に今の時代についていっている感じが痛々しい。このまま老害にでもならなきゃいいね」と揶揄され、日々のフラストレーションに拍車をかけていた。そんな矢先、その腐れ縁の俳優仲間が映画の撮影前にバイク事故を起こしてしまう。同世代の親しい俳優としてメディアからコメントを求められた南条は「映画と現実は違います。適当に仕事をしているようでは『老害』になってしまう。やるべきことにしっかり向き合う…歳を取ったら、それが車やバイクの運転なんかよりずっと大事なことなんです」と半ば“仕返し”のような発言をしたのだが、意図せず世間からは喝采を浴びてしまうことに。「さすがスター俳優、南条弘!」「南条最高!」と持ち上げられ、一人歩きした世論はいつしかマネージャーや家族をも巻き込み、拡大解釈されていく。ついには、「で、南条さんはいつ“免許返納”するんですか?」といった声まで上がるように…。車やバイクに乗ってまだまだアクションをやりたい映画スター・南条弘は、人生最大のこのピンチをどう切り抜けるのか?
本作の監督を務めるのは、『俺物語!!』(15)や『兄に愛されすぎて困ってます』(17)、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』(19)などで確かな演出力とコミカルタッチの表現力に輝きを見せる河合勇人。脚本は『永遠の0』(15)で第38回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞し、近年では『ラーゲリより愛を込めて』(22)や『ディア・ファミリー』(24)など人間の真心に迫る感動作を手掛けて話題を呼んできた林民夫。“免許返納”という一見センシティブなテーマを軽妙で朗らかなコメディ作品に落とし込む筆致は巧みで、窮地に陥る南条の行く先々で出会うキャラクターたちも魅力的に仕上げている。