公演は、ライトが落とされた会場に鼓動音が鳴り響き、大嶋と栗山による「メメント・モリ」(インストゥルメンタル)の生演奏で開幕。ステージ上のスクリーンに本作の主人公・ボクのイラストが映し出されると、曲に合わせて会場から自然と手拍子が湧き起こる。上白石の朗読への期待感がひしひしと伝わる雰囲気。

演奏後、上白石がステージに登場し、ピンスポットライトに照らし出される中、ボクとして身の上や心情を一人語りしていく。世界や人生のさまざまなことに疑問や関心を持つ子供の心情を表現する語りには、透明感あふれる上白石の声質が見事にマッチ。また「いつか旅立つ日がくるでしょう。わかっているけどどんなだろうな」などの印象的なセリフに合わせて、アレンジされた「メメント・モリ」のフレーズや、時折差し込まれるSE的な役割を果たす音が生演奏で表現され、朗読との相乗効果で物語を彩っていた。

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