続けて、「良一にもう一度一緒に暮らそうというシーンは、私は台本を全部ゼロにして現場に臨むタイプで、泣こうと思っていたわけでもなかったのですが、彼の顔を見ているだけで涙があふれてきてしまって。実は、味元君は泣くシーンではなかったけれど、味元君も泣いてしまって。」と答えると、中野監督は、「あのシーンの集中力はすごかったです。なのであんまりテストもしなくて」と振り返り、それに対して満島は、「私は23歳ぐらいから母親の役をやってきて、子供たちはいつもピュアにまっすぐ向かってくるので、いつも助けられています」と答えた。

次の質問は満島にあこがれてお芝居をしているという女性から、「満島さんがお芝居をするうえで、一番大切にしているものを教えてください」と質問。「ありがとう!」と返した満島は、「役者も映画もお芝居も大好きですが、明日違う仕事になってしまっても仕方ないかという仕事でもあるので、そのあたりの覚悟は小さいころから持っていて、その時に後悔したくないので『昨日まで楽しかったな』と思える役者でいたいと思っています。11歳で初めて映画の現場に足を踏み入れた時に、こんな生き生きした大人たちがいるんだと。エンタメに触れることで誰かの生活が一歩でも1ミリでも動くことにかけている人たちがこんなにもいるということに毎回感動しています。ピュアでいること、でしょうか。ですので、現場でたくさん水を飲んで体の中の水分をきれいにして、人の声を聞こえなくならないようにしようとも思ってます。でも難しいな…」と、言葉を探す満島に、中野監督が、「僕は満島さんはお芝居の力を疑っていないと感じていました。こうすることがいい、と信じている強さがある。」と答えると、満島も、「目の前にいる人に感動したり、スタッフに感動したりすることを毎日見つけると、この人たちと一緒にやってるから大丈夫でしょ、と思えてくる。あとは、見た人が感じたことないことをつつかれて泣いてしまったり、『救われている?』と感じたり、本人が知らない感情を引き出したいとも思ってます。」と、俳優としての思いを語った。

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