お客様からの質問は続き、「本作での印象的だったシーンを」聞かれた満島は、「現場でも見ていて思ったのですが、スクリーンで観た柴咲さんやオダギリさんが『映画俳優』として存在していて、特にオダギリさんが理子に無防備な笑顔でカメラの前に、あんな優しい顔で立てるってすごいなと。映画への信頼感が尋常ではないなと。本当に映画が好きなんだなと感じました。」と、称賛。柴咲についても、「みんなの前でトライ&エラーができることや現場にとにかく自然にいるその立ち振る舞いもすごいなと思いましたし、すっぴんで鏡の前に立つシーンも、ありのままで立たれていてお客様みんなに柴咲コウという人生を見せている気がして、そんな二人の姿に感動して、映画に関わるうえでのとても大切なものを見せてくださったと感じていました。」と語った。
オダギリとの現場でのエピソードについて、「一緒にお芝居していると似ているところがあるのかラクチンで、(2作目となる)現場で逢うとホッとする俳優さんです。『いい役者さんとお芝居できるぞ』という嬉しさがあります。」と満島が答えると、中野監督が、「ガウン姿のオダギリさんが駅で走るシーンを撮影していたときに、休みだった満島さんが…」と話を振ると、満島が、「仙台に牛タン食べに行っていて、帰ってきたらオダギリさんがホームでガウンを着て撮影していたんです。」と撮影中の驚きのエピソードを明かした。お客様からは絶えず多く質問の手が上がる、作品の雰囲気が伝わるようなティーチインは、予定時間を少し超えるほど盛り上がりをみせた。
最後の挨拶で満島は、「皆さんのお話をもっと聞きたかったですが、本当に良い機会いただきました。現場にいる人が大好きで、映画への愛情を深まってきたなというのを感じていて。老若男女で色々な感性で映画を作れる現場にいるのはラッキーだと感じていて、今回は特にこれまでにないくらい、レビューをしこたま読んでいて、感想は様々で、その中にいくつか『満島さんの今までの役の中で1番好き』という感想もあり、自分が映画に対する緊張がほぐれてきた時期に、柴咲さんやオダギリさんたちをはじめとした先輩や中野監督と出会えてよかったなと思っています。ありがとうございました。」と話し、中野監督が、「いいタイミングで3人がそろってくれたのは本当に幸せな監督でした。現場もこれまでの自分の現場の中で一番コミュニケーションがとれていたのではと思います。作品にも自信を持っていて、色々な人の心に届くと思っているので、もっと広がってくれるといいなと思います。」と締めくくり、大きな拍手の中、ティーチイン上映会は終了した。
