監督は「第2のホン・サンス」や「韓国の是枝裕和」と称され、映画『ひと夏のファンタジア』で知られるチャン・ゴンジェ。2015年に原作を読んだ監督自らが映画化を熱望し、9年の歳月をかけて完成させた。監督は、主人公のケナとは年齢や性別、立場も異なるが、共感し、強烈な印象を受けたという。

「韓国は過酷な競争社会で、自殺率は世界でも最悪の水準です。この10年は社会を揺るがす大きな事件も続きました。韓国の華やかな一面が取り沙汰される一方で、“本当に社会は健康なのか?”と問いたいと思い、韓国を好きになるためにこの映画を作りました」と語る。

本作で主人公ケナを演じるのは、ポン・ジュノ監督『グエムル-漢江の怪物-』に中学生の娘役で出演し、天才子役として鮮烈な印象を残したコ・アソン。韓国とニュージーランドの2か国を跨ぎ、人生に葛藤する30歳前後の女性を等身大で体現する。

主人公ケナと同じ時期にニュージーランドに留学し、かけがえのない友人となるジェイン役には、ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」で新人弁護士として奮闘するクォン・ミヌ役を務め、一気に知名度を上げたチュ・ジョンヒョク。2025年1月にはTBS系新春スペシャルドラマ「スロウトレイン」(脚本:野木亜希子)で日本ドラマデビューを果たし、さらなる活躍が期待される。

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