本作の撮影は昨年の9月の猛暑の中で行われ、特に廃虚での撮影は、電気が通っていないために、サーキュレーターのみでしのぐという過酷な状況だったという。中島は、「ちょうど大学入試の直前だったので、勉強もしなきゃいけない、役もやらなきゃいけないという必死な状況でした」と大変だったという撮影を振り返った。

また撮影現場では、ホラー映画らしい不可解な現象も発生したという。「皐月の家での撮影中、絶対にあり得ない位置から女性の声がマイクに入っていたんです。周りには誰もいなかったはずなのにボソボソと声が入っていて。すると音声さんがすぐに『消します!』と。あれは早かったですね。」とコウイチ監督が明かすと、中島とまいきちは初耳だったようで「知らなかった……」と驚愕(きょうがく)した。

そしてこの日は、「コウイチ映画祭り」と題して、「DMMショート」で配信中のショートドラマ『バニーキッチン』も上映された。「これも何回もプロットのやり取りをしましたね」と振り返ったコウイチ監督は、「最初は泥棒として侵入した家屋に怪人がいて、というすごくシンプルで王道なホラーをやろうとしたんですけど、紆余(うよ)曲折あって、ショッピングモールを舞台にしようという事になりました。」と説明。

同作が縦型のショートドラマということで、「常にくぎ付けになるような展開に、とは思っていたんですけど、それだけではただのドッキリで終わってしまう。やはりキャラクターに愛着を持ってもらいたいと思い、濃いめのキャラクターをいっぱい出して、キャラクターに自由に動いてもらいました。」と監督。同作に出演しているまいきちも、「皐月ちゃんとは頭の良さが違う設定なので、どこまでおバカキャラでやったらいいですか、というのは何回も確認しました」と振り返った。

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