そして、福士と福原が羊のぬいぐるみを手に並ぶ一枚は、本作の重要な舞台となったニュージーランドでの最終撮影日、クランクアップの瞬間を切り取ったもの。名曲の映画化というプレッシャーもありながら、長い撮影を走り抜けた二人の表情からは、達成感とともに、作品への深い愛情がにじみ出ているようだ。

クランクアップの際、福士は「一人二役の演じ分けが難しかったのですが、涼を掘り下げると恵が見えてきたり、恵を深めることで涼が深まったりして、撮影を重ねるうちに、そんな二人のことが大好きになりました。そして、福原さん演じる亜子が魅力的だったからこそ、涼と恵として楽しく生きることができたと感じています」と、演じた涼と恵への愛や、福原や行定監督をはじめとするスタッフ陣への感謝を告げ、さらにニュージーランドの現地スタッフに対しては得意とする英語で感謝の言葉を伝える姿も見せた。
一方、福原は「亜子という役には難しさを感じていたので、撮影前から監督やプロデューサーに相談しながら準備を進めました。現場に入ってからは監督についていこうと心に決め、全力で走り抜けました。この現場で学んだことは本当に大きく、もっと力をつけてまた戻ってこられるよう頑張りたいと思っています」と語り、福士同様に行定勲監督をはじめとするスタッフや製作陣に熱い感謝の想いを伝えた。

ニ人とはしっかり話し合いながらキャラクターを作り上げていったという行定監督は、「福士さんとは涼と恵の違い、話し方など、さまざまな解釈が一致していたので演出もスムーズに進めることができました」とコメント。さらに福原について、「福原さんはおおらかで真面目な方で、おそらくこれまでそういう役を求められてきたと思うけれど、本作では亜子のねじれた感情を見せてほしかった。実際、とてもうまく亜子を演じてくれたと思いますし、痛々しさの中にある女性の芯の強さが、彼女が演じた亜子からは表れていました」と振り返った。こうした想いとともに紡がれた一日一日の撮影によって、一曲の音楽から壮大な愛の物語が生み出された。