『あみこ』の山中瑶子監督の4年ぶりの新作であり、本格的な長編第1作目となる『ナミビアの砂漠』が9⽉6⽇より公開される。山中監督の『あみこ』を観て女優の道を目指した河合優実を主演に迎えた本作は、第77回カンヌ国際映画祭監督週間に正式招待され、国際映画批評家連盟賞を受賞する快挙を成し遂げた。
河合優実演じる主人公・カナと徐々に関係を深めていく自信家のクリエイター、ハヤシを演じるのは、「おっさんずラブ」で注目を集め、その後も様々なテレビや映画に出演する金子大地。監督や河合との映画作りで感じたことを語ってもらった。
裏を一瞬でも見せられるか
─ 今回出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください
素直にめちゃくちゃ嬉しかったです。山中さんは注目していた監督だったので、監督の商業1作目に参加ができてとても嬉しかったです。
─ 今作で演じられたハヤシという役について教えてください
クリエイターの役で、いつか自分の脚本が大きいものになればいいなというのを夢見ていて、河合さん演じるカナと出会ってだいぶ刺激される役です。カナに振り回されるというか、カナとの立場がどんどん変わっていくところが面白いところだと思います。自分が隠していた過去の秘密をカナに知られてしまう、罪の意識もちゃんと背負いながら生きていて、繊細で優しい役だと思います。
─ 役を演じる上で心がけていたことはありますか?
人間って誰しも表と裏みたいなものがあり、その裏を一瞬でもみせられるかというところです。あからさまにみせるわけではなくて、人間の本質みたいな部分で。ハヤシの持っている抜け感みたいなものを出すためには、自分の中から出る部分も大切にしていかなきゃいけないなと思っていました。