2010年、ファッション雑誌「Seventeen」の専属モデルオーディションでグランプリに選ばれモデルデビューした森川葵。その後俳優としても活動を広げ、近年は、映画『ある閉ざされた雪の山荘で』、ドラマ「街並み照らすヤツら」、現在放送中の日本テレビ系ドラマ「放課後カルテ」など、数々の話題作に出演している。
上⽥慎⼀郎監督の新作映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』では、どんな役にもなり切れる元女優・⽩⽯美来を演じた。今作は上⽥監督が『カメラを⽌めるな!』公開前から始動していた渾身のプロジェクトで、ソ・イングク、スヨン、マ・ドンソクの共演で⽇本でも話題を呼んだ韓国ドラマ「元カレは天才詐欺師〜38 師機動隊〜」が原作。今回演じた美来役について、またベテラン俳優たちとの共演についてお話を伺った。
1人を通じてたくさんの役を演じられる
─ 初めて台本を読んだときの感想は?
話がかなり入り組んでいて、読み切るまで最後どうなるのかがわからなかったです。これはどういうふうに終わるんだろう、と思いながら読みました。
─ 元女優でどんな人物にもなりきれる、⽩⽯美来という役を演じてみていかがでしたか?
すごく楽しかったです。1人の役を演じているはずなのに、その1人を通じてたくさんの役を演じられたので。普通は、ある程度の期間その役だけになるじゃないですか。それが、いろんな格好をして、いろんな話し方をして、というふうに、いつもよりもいろいろとやらなきゃいけないことが多くて。楽しかったのと、ちょっと難しかったのと両方ありますね。
─ 美来に共感するところはありますか?
美来という女の子が、どうして(岡田将生演じる)氷室が結成した詐欺師集団に力を貸すのかというと、もともと自分が一緒に役者を目指していた大切な友達がひどい目に遭い、その仕返しをしたい、というところから始まるんです。詐欺行為を始めてしまったというのは許されることではないけれど、 美来の人を助けたいという気持ちは、少し感情移入するところはありました。
─ 美来を演じるうえで心掛けたことは?
なるべくだらしなくいること。きっちりきれいにしないで、美来が演じている役よりも人間らしくあるようにというのは心掛けました。
美来が扮装するのはクラブの綺麗な格好をした女性などが多いのですが、普段の美来は、ヘッドフォンをしたり、ジャージを着たりするタイプ。扮装のときとはかけ離れた人物像だとギャップが面白いのかなと思って、そこは気をつけていましたね。
─ どの扮装が好きでしたか?
ビリヤード場で綺麗なドレスを着ている扮装のときは、「そういう服装も似合うね」とみんなに言ってもらえて。ああいうドレスを着る役は私はあまり演じないので、似合うと言われて、えっ、本当かな、と思いながらもちょっと嬉しかったです。そういうこともあって、あの役は新鮮で楽しかったですね。
─ その際に意識されたことはありましたか?
なるべく動きをゆっくりにしたり、話し方もゆっくり丁寧に話すことですかね。立ち方も、背筋をスッと伸ばして、綺麗に見えるように立つことを意識していました。