
結成25年目を迎えるスリーピースロックバンド「LOSTAGE」の密着ドキュメンタリー映画『A DOCUMENTARY FILM OF LOSTAGE – ひかりのまち、わたしたちの-』が2026年1月2日(金)より公開される。
地元の奈良を拠点に、独自のスタイルで生活と地続きの音楽活動を模索し続けているLOSTAGE。サブスク配信はせず、CDを買うことができる場所も、ライブ物販やボーカル五味岳久が店⻑を務めるレコードショップ「THROAT RECORDS」のみ。しかしながら2023年に全国47都道府県ツアーを敢行。2025年3月にはバンドとして過去最大規模となる日比谷公園大音楽堂でのワンマン公演を成功させるなど、メジャーを離れた現在も幅広い世代から熱狂的に支持され続けている稀有なバンドだ。
映画では貴重なライブ映像を交えつつ、密着取材やインタビューでLOSTAGEメンバーたちの生活と音楽活動、その魅力を描き出していく。本作品について、ボーカルの五味岳久、監督のMINORxU(ミノル)にお話を伺った。
25年目の答え合わせ
─ 五味さんは映画を見て、率直にどのように感じましたか?
五味 「俺らってこういう風に見られてんのか」と。
自分だとどう見えているのかってわからないじゃないですか。それを第三者の目線で見てはっきりしたというか。バンド像の輪郭みたいなものが浮かび上がってきた、そういう感じでした。
─ 思っていたものとギャップはありましたか?
五味 ギャップみたいなものはなかったですね。やっぱりこうやったし、これで良かったんやなと。その答え合わせができた。
─ 結成から25周年の節目についてはどう感じていますか?
五味 一瞬やったなと思う。25年、四半世紀ってまあまあ長いけれど、そういう重みみたいなものは、自分としてはあまりないというか。
映画がどうというよりは、「バンド結成25周年です」っていう実感、長いとか重いみたいな感覚はなくて、気づいたらそれだけ過ぎてたっていう感じですかね。普段から周年とかやらないんで。たまたま節目に映画が出るけど、時間で区切るような意識はあまりないかな。
─ 結成25周年のタイミングで映画が製作されることになったのは、どういった経緯だったのでしょうか?
五味 この映画ではプロデューサーっていうポジションの荒屋さんに、もともとツアーの制作を頼んでいたんですよ。それで、ツアー回るんだったら、映像撮ってドキュメンタリー映画にして出すのはどうですかと提案してくれて。
荒屋さんが、お金とか出してくれる人探してきますわ、みたいな感じで、色々当たってくれて。これ作れそうってなったときに、そういえば、2011年頃にMINORxUくんが1年ぐらい手弁当で取材してくれてたなと。そのときの映像もあるから、ツアーの映像をMINORxUくんに頼んで、そこから始まって47都道府県行って、クラブチッタ(ツアーファイナル)があって、野音があって、というところまでまとめられたらいいなとなった。MINORxUくんに話したら、やりたいって手を挙げてくれて、この映画に繋がったという。
MINORxU 企画の時点ではまだ誰が監督するかは決まっていなかったんです。たまたま僕が兄貴(五味岳久 ※ギターの五味拓人とは実の兄弟)のライブに行ったときに、初めて荒屋くんと会って映画の説明を受けて。アーカイブが大量にあるし、僕にやらせてくれないかと言ったら、みんなが「いいんじゃない」と。そこから僕と荒屋くんで企画を作って、面白そうと言ってくださる方が大勢いてくださって、企画が通って映画になったという流れです。
