思い出深いライブシーン
─ 宇賀那監督の現場はいかがでしたか?
宇賀那さんは、これまで出会ったどの方より「少年」で。きっと映画が大好きなんだろうな、現場がすごく楽しいんだなというのが伝わってきました。
─ 監督ならではの演出はありましたか?
すごく任せてくれました。今までで1番任せてもらえたかもしれないです。テストをしないでそのまま本番ということもあって、緊張感はありますが、最初にこちらが提示したものを信じてくれている、と思える演出の仕方でした。そこは他の現場とは違うなと思いました。
─ 印象に残ったシーンはありますか?
やっぱり最後のライブシーンが一番思い出深いです。牛舎でライブをやったのですが、とてつもなく寒くて、よく見ると歌っているときも白い息がもくもくと(笑)。
田舎パートは高崎で撮影をしていて、高崎での最終日がライブシーンの撮影でした。ずっと泊まり込みで、みんなで撮影をしていたのに、一度家に帰るんだ、と思ったらまだ東京での撮影も残っているのにすごく寂しくなっちゃったんです。解散ライブの気持ちじゃないですが、「これが最後なんだ、みんなと離れちゃうんだ」みたいな悲しさや切なさが込み上げてきて、図らずもゲスイドウズのメンバーとの心情も重なり思い出深いシーンになりました。

─ 撮影で大変だったことは?
毎日大変ではありました。ただ、苦ではなくむしろすごく楽しくて。撮影が遅くに終わって次の日も朝が早いのに、みんなでご飯を食べに行って、自分たちで追い込んでいました(笑)。体力的にはきつかったとは思いますが、大変だったという印象は残っていないです。
─ 完成した作品を観ていかがでしたか?
やっぱり、楽しかったなという思い出が強すぎて、最初に観たときはそこが一番に蘇りました。演奏シーンは自分では恥ずかしくてあまり直視できていないです。
─ 最後に記事を読んでいる方にメッセージをお願いします
私の演じたハナコは「27歳で死ぬ。なぜならロックレジェンドはみんな27歳で死んでいるから」というのを信じ込んでいる26歳なのですが、20代って、誰しも何かに焦燥して生きる年齢だと思うんです。その気持ちを思い出したり、これから経験する方にもハナコたちがもがいているその姿を見て、勇気を持っていただけたらいいなと思います。

夏子 NATSUKO
1996年生まれ、東京都出身。
mini、装苑、Sweet、NYLONなど多数の雑誌やWeb のスナップに登場し注目を集める。2016年ドラマ「世にも奇妙な物語」で女優デビュー。主な出演作品は、ドラマ「366日」、「わかっていても the shapes of love」(24)や映画『女囚霊』、『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』(23)など。

『ザ・ゲスイドウズ』
全国公開中
監督・脚本:宇賀那健一
楽曲プロデュース:KYONO
音楽:今村怜央
出演:夏子、今村怜央、喜矢武 豊、Rocko Zevenbergen、水沢林太郎、伊澤彩織、天野眞由美、KYONO Lloyd Kaufman、一ノ瀬 竜、神戸誠治、豊満 亮、中野 歩、かんた、小野塚渉悟、小林宏樹、松原怜香、横須賀一巧、Joseph Kahn、マキタスポーツ、斎藤 工、遠藤雄弥
「ザ・ゲスイドウズ」製作委員会(ライツキューブ/METEORA/Vandalism)
制作プロダクション:Vandalism
配給:ライツキューブ
宣伝:FINOR
(C)2024「ザ・ゲスイドウズ」製作委員会
スタイリング:大坂友紀子
ヘア&メイクアップ:鈴木海希子
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