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近藤亮太 ─ 見えないからこそのリアリティー ─

「第2回日本ホラー映画大賞」大賞受賞作を長編化した映画『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』が1月24日に全国公開される。自身の商業映画デビュー作となる今作について、近藤亮太監督にお話をうかがった。

近藤亮太監督は、映画美学校にて「リング」シリーズの脚本家・高橋洋氏に師事し、高橋の監督作やNetflixシリーズ「呪怨:呪いの家」で助監督を務め、『その音がきこえたら』では、第1回日本ホラー映画大賞のMOVIE WALKER PRESS賞を受賞。近年はテレビ東京の特別番組「TXQ FICTION」の第1弾「イシナガキクエを探しています」、第2弾「飯沼一家に謝罪します」で演出を担うなど活躍が注目されている。


─ 今作はどのように構想されたのでしょうか?

そんなとき、友達に「次どんなのやるの?」と聞かれ、お酒も入っていたので漠然と神隠しものをやりたいという話をして。昔から神隠しものって何かいいよなと感じていて、記事などを読んだりはしていたんです。いろいろと失踪や神隠しを扱った作品をあげていくなかで『ラブレス』というロシアの映画の話になり「ホラー映画でこういう感じでやると怖いと思うんだよね」といったことを何となく思いつくままに言っていたら、それありだな、と。

友人の家に20年ぐらい前のVHSがまだ残っていて、かなり劣化したビデオテープがあったので、それを借りてビデオデッキにつないで、撮影したデジタルカメラの映像を編集して、VHSに焼き込みました。

友人が当時くり返し観たものなので、アクションシーンのところだけテープがすり減っていたりしてノイズだらけなんですよ。この辺りでノイズが来るというのが分かるので、そこから逆算をして録画し始める箇所を決めました。『アイスの森/禍話』の制作の際に、このやり方でダビングをするとノイズがいい感じに入って、リアリティーや怖さみたいなのが表現できるんだということも分かったので、そういうものの集積としてこの長編でも同じことをやっています。

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