─ 現場でみなさんに伝えたことはありますか?
皆さんにお伝えしていたのは、この映画では怖い感情がゼロになる瞬間はないと思いながらやりたいということです。
日常普通に生きていて、幽霊が今目の前にいるわけじゃなかったとしても、怖いという気持ちはゼロにはならないんじゃないかと。その中でのグラデーションを作りたい、恐怖というもののグラデーションを全体で通してやりたいんだという話を最初に全員に話しました。
それを皆さん意識した上でとても丁寧に演じてくれているので、お客さん側にも、登場人物に感情移入することで怖さみたいなものが伝わるんだと思います。
─ 最後に記事を読んでいる方にメッセージをお願いします
この映画は幽霊が見えるか見えないかということではなくて、見えないんだとしても何かがいる可能性みたいなものを示して、それが怖いということ、あるいはそれを怖がる人がいるということを想像してもらいたいという想いで作りました。観ていただいた方ご自身も、日々の中で怖いと思う瞬間だったり、あるいは人が怖がる瞬間について考えるきっかけになれば嬉しいなと思います。
近藤亮太 KONDO RYOTA
1988年生まれ、北海道出身。
大学在学時より映画制作現場のスタッフとして働きはじめ、 上京後、映画美学校にて高橋洋氏に師事。同時に自主制作を開始し、高橋の監督作やNetflixシリーズ「呪怨:呪いの家」(20)で助監督を務め、『その音がきこえたら』では、第1回日本ホラー映画大賞のMOVIE WALKER PRESS賞を受賞。今年話題を呼んだテレビ東京の特別番組「TXQ FICTION」の第1弾「イシナガキクエを探しています」、第2弾「飯沼一家に謝罪します」では演出を担当。第2回日本ホラー映画大賞で『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』が大賞を受賞。その本作を長編化して商業映画デビューを果たした。
『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』
1月24日(金)全国公開!
主演:杉田雷麟、平井亜門、森田想、藤井隆
総合プロデューサー:清水崇
監督:近藤亮太
脚本:金子鈴幸
企画:KADOKAWA
製作:『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』製作委員会
配給:KADOKAWA
(C)2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会