現場で一緒に作っている感覚
─ 山中監督との作品づくりはいかがでしたか?
とても自由度が高いというか、自分の好きなようにやらせてくれました。このシーンはこういうシーンだと決めつけるんじゃなくて、その場で起きたことを大切にする監督なので、一緒に作っている感じが役者としても楽しかったですし、とても素敵な監督だと思いますね。
─ 山中監督ならではの演出はありましたか?
あんまりなくて。 きっと僕にオファーをしたということは、僕に重なる部分がハヤシにあって、そこを狙ってるのかなって思いました。カナとの掛け合いで起こる受けのハヤシや、カナが起こすことによってハヤシが発する言葉は、現場で作っていったような感じだったので、それは他の監督とは違うと感じました。
─ 野生的なお芝居だと監督がコメントされていますが、ご自身ではどう感じますか?
僕は全く逆で、ちゃんと考えてやっているつもりだったんですけれど、監督がいいと思うポイントが細かすぎて気づかなかったです。どうやって演じているのかは考えてはいるものの、一番大切なのは現場で起こること。その空気感をちゃんと拾えるかは、これからも大切にしていきたいと思って演じています。山中さんにも一番分からなかったって言われて、少し不安になりました。
その時に起こることを大切にして、監督がいてそれを切り取ってくれるカメラマンさんがいて、映画って成り立つものですよね。自分で全部できる役者はいないと思うので、何割かは委ねることも大切だと改めて感じました。