喧嘩のシーンの河合さんの目は怖かった
─ 河合さんとの再共演で印象の変化はありましたか?
初めて共演したときは、河合さんがまだ10代で。当時からしっかりしていましたが、今回、河合さんに引っ張ってもらっていろんな面で支えてもらいましたね。それでいて現場での過ごし方も素晴らしかったですし、作品との向き合い方、役との向き合い方も、本当に真心を込めてワンシーンずつに力を注いでいるなと感じて、僕自身も影響されました。本当に心強い主演でした。一緒にお芝居ができて楽しかったです。
─ 2人の喧嘩のシーンは印象的でした
『ナミビアの砂漠』を観て思ったのは、喧嘩をしていてもそれが重くならない。それはきっとハヤシの持っている軽さ、許せる心みたいなものがあるからそう見えるのかなと。きっと監督がやりたかったことってこういうことだったんじゃないかなというのは、考えてやってみました。喧嘩のシーンなんて面白いじゃないですか。何なんだこの画はみたいな(笑)。ずっと喧嘩していて、滑稽というか。そこは河合さんともちゃんとコミュニケーションを取りながらできた感じはあったので良かったですね。
─ 細かく打ち合わせをしてから臨んだのでしょうか?
そうですね。リハーサルの時からアクション部の方と色々と動きはやったんですけれど。生々しい男女の喧嘩を表現するにはどうすればいいか入念にリハーサルをしました。怪我だけはしないように心がけました。河合さんは本当に怒った時の目をしていたので、怖かったです(笑)。
─ 金子さんはどういう気持ちで対峙されていたんですか?
なんだこれ?何これ?みたいな感じ(笑)。「何ガン飛ばしてんだよ」ぐらいな感じでやりました。でもお互いに楽しんでやってましたね。ああいう時こそ冷静というか。バカバカしいなと思いながらもそれに付き合うハヤシみたいなところはあるなと思います。本当に手加減なく蹴ってくるので。実際は痛くはないんですけれど、迫力があって楽しかったです。
─ 今回のカナという役は、金子さんから見てどんなところが魅力ですか?
全てが魅力的だなと僕は思います。厄介だし、振り回されるし、情緒が不安定なんですが、河合さんが演じることによって可愛くみえて。きっとあれをみて「これは私だ」と思う人がいるんじゃないかなと思う役だったので、僕はとても魅力的だなと思いました。