2022年に芥川賞受賞作家・今村夏子の同名短編小説を映画化した『こちらあみ子』で監督デビューし、数々の賞を受賞した森井勇佑監督。待望の2作目『ルート29』は、詩人・中尾太一の詩集「ルート29、解放」からインスピレーションを受け執筆した、姫路と鳥取をつなぐ国道29号線をめぐる物語。国民的な人気を誇る綾瀬はるかを主演に迎え、優しさにあふれるリリカルなロードムービーとなっている。
綾瀬はるか演じるトンボの相棒となるハルは『こちらあみ子』で鮮烈なデビューを飾り、第36回高崎映画祭最優秀新人俳優賞を受賞した大沢一菜が演じた。
今作にて再度タッグを組んだ森井監督と大沢一菜に、作品について語ってもらった。
かっこつけてた
─ 詩集をもとに映画を作ることになったきっかけは？
森井 プロデューサーと次に何か作ろうという話をしていて、「映画にするかしないかは考えないでいいからちょっと読んでみないか」ということで、中尾太一さんの詩集を渡してもらったんです。詩集にはお話は書いていませんが、読んだ時に、感覚的なものとして映画になると思い、そこから脚本を書いていったという形です。
─ 森井監督と大沢さんは『こちらあみ子』に続き二度目のタッグになりますが、いかがでしたか？
大沢 監督が変わったことは、現場でかっこつけてたこと。
森井 （笑）。
大沢 綾瀬さんの前で話すときだけかっこつけていて、それ以外は全く変わってなかったです。
─ 前作ではそんなことはなかったんですか？
大沢 かっこつけてなかった。
森井 それは一菜にも言えるんですけどね。かっこつけてたことありましたからね。
大沢 お互い様だね。
森井 お互い様です（笑）。
