場所が雰囲気を作ってくれてた
─ 兵庫県、鳥取県での撮影はいかがでしたか?
森井 暑かったね。
大沢 うん。あと鳥取に行く前は、鳥取全体が砂で埋まっているのかと思っていて。エジプトみたいに街も砂だらけな感じなのかなと。行ってみたら砂はないけれど面白いところだなと思いました。街並みも綺麗だし、お祭りをやっていたので。
森井 祭りに行ったね。
─ 監督はロケ地での思い出はありますか?
森井 特に印象に残っているのは、新戸倉トンネルという長いトンネルで、一菜が何かを感じると言っていたこと。トンネルの奥の方から声が聞こえたんだよね?
大沢 ハルがトンネルで大声で叫ぶシーンのときに、録音には入ってないと思うけれど、女性たちが笑っているような声が聞こえてめっちゃ怖かった(笑)。
森井 何か聞こえると言い出したので、割と霊感が強いメイクの方が、塩を入れた小袋を一菜の服に入れてくれたのが印象に残っています(笑)。
実際に現地に行って、この世のものじゃないみたいなニュアンスを感じたので、ここなら撮影できると思って撮ったところがありました。
大沢 ハルとお母さんが会うところも。
森井 あそこは終末医療の病院が管轄している寄り合い所で、そこで人がお亡くなりになったわけではないんですけれど、みんな感じると言って。市川実日子さんも綾瀬さんも、小刻みに揺れていると言っていました。
大沢 あった。懐かしい。
森井 いったい何が小刻みに揺れているのか、気になったんですけれど。まあこういう話なので、みんな感じやすくなっていたんだと思います。それは悪いことだとは思っていなくて、むしろ豊かなことだなと思いながら撮影していました。
大沢 雰囲気を作ってくれてたね。
森井 そうそう、場所が雰囲気を作ってくれていたんですよ。一菜いいこと言うね(笑)。
─ 他の共演者の方とのシーンで印象に残っているシーンはありますか?
大沢 (伊佐山ひろ子演じる)赤い服の女性の登場で、急に不気味な世界に入っていくのが印象的だった。あと、のり子のお姉ちゃんの(河井青葉演じる)亜矢子も謎に怖い。
森井 (笑)。
大沢 (大西力演じる)おじいちゃんは可愛かったです。