藤原樹さんは意外と……

─ 演じる上で考えていることは?

私が初めて読んだ川端先生の作品が「宇宙を駆けるよだか」という漫画なのですが、キャラクターが絶望したときの目の描写が強く印象に残っていたんです。

今作の真帆ちゃんは、ベースはすごく明るい子ですが、雪嶋先輩が死んでしまったときや、心が折れそうになってしまったときに、あの印象的な目の描写が再び出てきて。もちろん漫画での表現の仕方と演技はまた違うのですが、あの “ 死んだ目 ” をできるだけ意識して演じる、というのは挑戦してみている部分ではありますね。勝手にやっています(笑)。

─ 富田監督から伝えられたことはありますか?

今作はサスペンスも色濃く入っていますが、だからこそコメディタッチにできるところは際立たせたい、ということで、段取りの段階から、私には全く思い浮かばない動きを提案していただいています。真帆の天然な無邪気さみたいなものも出て、面白いなと感じるような動きをアドバイスしてくださるので、演技する身として、とても勉強になっています。

─ W主演の藤原樹さんとの共演はいかがですか?

藤原さんは、優しいふわっとした空気感を持っていらっしゃる方。勝手にクールな感じなのかなって思っていたのですが、全くそんなことはなく、藤原さんの周りの空気がゆっくり進んでるようなイメージで、けっこう意外でした。その空気感がまた雪嶋先輩に通じるものがあるなと。ちょっとマイペースな感じとか。

(C)川端志季/講談社 (C)「世界で一番早い春」製作委員会・MBS

─ LDHらしさは感じませんでしたか?

それが、現場では隠しているのかも。ダンスや歌をやっている方って、現場でのちょっとした動きに「あ、ダンスされている方だな」と感じたり、休憩中に体が動いていることがあるのですが、そういうことが一切なくて。同じ空気感で俳優としていてくださってる感じがして、安心感がありますね。

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