そんな中、本作に対する愛と黒沢監督へのリスペクトが溢れる本木は、進行そっちのけで黒沢監督による演出や村重への解釈、カット割りの魅力などを熱弁。黒沢はロングショットを多用した狙いについて「大きなスクリーンで観るとちょうどいい。映画館で観る映画として最適なものにしたいと思っていました。この映像でこのくらいの長さだと、色々なものが見えて来て色々な解釈にも繋がる。それが映画表現の一番面白いところだと思っているので、そのような風にしてみました」と解説した。
本木は一つの質問に対して熱弁し過ぎて、途中「何に対して何を喋っているのか自分でもわからない…」と迷子になりつつも「舞台劇を見ているような人物の配置や動線の組み立ては、いつどういう風に考えているのか?」などと黒沢監督に矢継ぎ早に質問。これに黒沢監督は「こんな事を言うと元も子もないかもしれませんが、こうすれば明日は撮り切れるかなと。時間は大きいです」と答えると、本木は「過酷な現場ではあるけれど、ほぼ定時に終わる。そんな映画の現場はない」と黒沢組のスケジュール事情を紹介。黒沢監督は「定時に終わるのは社会人として当たり前です。定時に終われば次の日頑張れるわけで。みんなが順調にいって僕のプランも上手く伝われば定時に終わる。それを目指しています」と持論を展開した。
先日のカンヌ国際映画祭での評価や日本での大ヒットの反響も経て、アメリカ・カナダ、フランス、韓国、台湾、インドネシア、ポルトガル、トルコ、チェコをはじめ世界30か国以上の国での公開が決定。これに本木は「ある意味その予兆がカンヌで確認出来たところはある。登場人物が多くて関係性も複雑ながらも、だんだん何かが見えてくる。時代劇でありながら難しいセリフが散りばめられていても何か通じてしまうという。黒沢さんの何らかの手法が隠されていて…いやいや、また喋り過ぎちゃった」と興奮気味にまくし立てていた。

さらに7月10日より、一部劇場にて『黒牢城 モノクロ特別版』の上映が決定。当初デジタルで白黒にする事に対して懐疑的だったという黒沢監督だが「試写を観てみたら、これがめちゃくちゃいい。まず俳優の表情がわかる。遠くにいても白目とかが物凄くクッキリと見える。着ている服の模様もはっきりとわかる。カラーバージョンの方が情報は豊かですが、白黒にすることで情報が絞られる分、カラー版では見えていないものがクッキリと見えてくる。僕も驚きましたので、皆さんも騙されたと思って一度ご覧になってください。ビックリしますよ」と予告していた。
