<俳優:仲野太賀 コメント>

孫監督のまなざしだからこそ、主人公の戸惑いや心の揺れが手に取るように伝わってきた。言葉になりきらない想いが、映画を満たしているようだった。それでも、様々な葛藤を受容して芽生えた主人公のアイデンティティは、形あるトロフィーよりも美しく、誇らしい。

<雑誌『STUDY』編集長:長畑宏明 コメント>

遠くを見ること。足元を固めること。祖国の一員として生きること。個人として生きること。そのすべてを割り切ることなど、到底できない。誰もが、他人には想像しえない事情の中にいる。ソヒは、一度は売ってしまった父親の勲章を取り戻そうと駆け回る過程で、そのことを学んでいく。彼女もきっと、世界と生活の両方を諦めない大人になっていくのだと思う。

<日本映画大学教授:ハン・トンヒョン コメント>

社会的なプレッシャーへの異議申し立てではない。自分にとって大切なものや周囲の人びとと、まっすぐに向き合おうともがく14歳の少女の日常と等身大の成長を繊細に描いた物語だからこそ、雄弁で説得力を持つ朝鮮舞踊の舞台――。出てくる子どもたちも、周囲の大人たちも、優しく、愛しい。そしてリアル。何よりも、今を生きるかれらをそっと見守るような監督の視線が優しい映画だ。

<映画作家:藤元明緒 コメント>

それぞれが守りたいと願ったはずのものが、長い年月のなかで複雑に絡み合い、いつしか私たちに重くのしかかる。そのもつれた糸を、迷いながらも懸命にほどいてゆく少女の痛みと瑞々しさに胸を打たれた。分断ではなく理解へと私たちを導く、この時代にこそ必要な映画だ。

<俳優・モデル:前田エマ コメント>

20歳を超えてから、かつて朝鮮学校で学んでいたという在日の友人が、何人もできました。彼女たちが見てきた世界に、多くのことを教えてもらったと同時に「もっと若い頃に出会っていたら、どんなだっただろう」と想像するようになりました。映画の中でソヒと未来が、私の代わりに青春してくれていました。うれしかったです。

<映像ディレクター:松本壮史 コメント>

眩しいほど尊い瞬間と毒がじんわり回る感覚が同時に存在している。その独特なスリリングさが物語をズンズン前進させる。主人公のソヒは他者を知り、傷つけて傷ついて自分を知っていく。起こるほとんどが身の回りの小さな話なのに、最後はものすごく遠くまで連れて行ってくれる。映画を観る喜びが詰まった力強い一本だと思う。

<俳優・モデル:山本奈衣瑠 コメント>

ゆっくりと、しっかりと、育っていくソヒ。大人が見てないうちにソヒはソヒとしてぐんぐん自分の葉を育てている。最後、お父さんがソヒを見つめる表情にお父さんの答えも聞こえた気がして、あの一瞬は彼らにも、私たちにも大事な時間でした。スクリーンには登場人物たちの心が一瞬もこぼさず写されていて目が離せなかった。

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