<磯山晶(プロデューサー) コメント>
いつも一緒にドラマを作っている宮藤さんが、こんなにも素晴らしい俳優と知らず…申し訳ない気持ちになりました。明野と新の生活が生き生きしていて、切なくて、逞しいのに儚くて、思い出しただけで涙が出てしまいます。普段、打ち合わせしている時とはまったく違う宮藤さんが「圧倒的な存在感」でそこにいました。
<多田琢(TUGBOAT) コメント>
決して善人ではない自分の感情が、フィルターを通って浄化され、綺麗な水となって流れ出してくる。誘拐した子供が障がいのある子だとわかっても育て続けた明野の行動は全く理解できない、はずだった。そうならなかったのは、演じた宮藤さん本人が全ての人への公平な目線を忘れない「愛」を持っているからだろう。手に取ることを躊躇した果物。その皮を何枚も剥がしていくと、ハッとするほど美しい果実が現れる。そんな映画だった。
<SYO(物書き) コメント>
親は子にどこまで尽くしたいと想い、
どこで愛の限界を思い知るのだろう。
きっと生涯わからない。でもわかる。
鑑賞中に流れた涙の味も、知ってる。
自分自身も父になってしまったから。
<木俣冬(ライター) コメント>
登場人物は皆、社会のはみだし者ばかり。苦い顔した彼らが、子どもに向き合ったときの表情がとてもいい。役を演じることに長けた名優たちの、格別な顔を引き出したのは、新。聡子(満島ひかり)が障がいのある新に急速に感情移入していく様子に共感すると同時に、新の父・明野(宮藤官九郎)の雑草のような風情にも強烈に惹かれる。障がいのある子の父であった原作者の眼差しを見るような気がした。
新の生命力はとても強く、鋭敏で、嘘がない。その鼓動に触れた大人たちの心を変えていく。逆に大人が子どもに育てられているようにも見えた。