モデルとしてキャリアをスタートし、雑誌やショーなどモデル業に邁進した後に俳優業にも乗り出した山本奈衣瑠。今泉力哉監督作『猫は逃げた』に主演として抜擢されて以降、数々の話題作に出演し、今年は『⾛れない⼈の⾛り⽅』、『SUPER HAPPY FOREVER』、『ココでのはなし』など多数の主演作が公開された。今秋公開の『夜のまにまに』では自由奔放な佳純を演じる。そんな彼女に今作について語ってもらった。
青春の迷いを肯定してくれる
─ 完成した作品を観た感想はいかがですか?
誰しもが感じたことのある、青春の恥ずかしさと、何かを迷っている時間が描かれていて、ベタに背中を押してくれる話にもなっていると思います。
歌の力も大きいと感じます。早瀬さんが作詞・作曲してくれて、奇妙礼太郎さんが歌う「朝までのブルース」という曲があります。今作で撮影もした第七藝術劇場という映画館で先行上映をしたときに、早瀬さんが生演奏をしてくださったのですが、本当に良くて泣いてしまって。そのあとトークだったんですが、泣きすぎて話せる状態ではなくなってしまって、その後の最初のお喋りはみんなにお任せしました(笑)。
個人的には、あのメロディや力強さに、青春の迷いみたいなものを「何も恥ずかしくないんだよ、行け!」と言ってくれている感じがすごくしたんですよね。細かく聞いていくと、これは佳純のことだな、みたいなものがたくさん含まれていて。この曲も含めて、恥ずかしい迷いや、何も決められないことに対して、真っ直ぐ見てくれるような映画だなと思いましたね。