身寄りも名前もなかった少年期の“山田”の名付け親となる巡査・照夫役の丸山は「ここまで刺激的で念のこもった台本に出演させていただくことが、30年くらいの活動の中で初めての事だったので戸惑いもありつつ。プレシャーと覚悟の中で演じさせて頂きました」と挨拶。佐藤同様に賛否ある問題作だと認めながら「でも賛否ある方が、それぞれの考え方で本作に向き合えるという事なので、問題作でもいい。そう言われようが何だろうが、世に届いて沢山の人に観ていただくことに意味がある作品だと思う」と持論を述べた。

バイオレンス映画好きという丸山は本作を「大好物」としながら「血がいっぱい出てきたりするけれど、それだけではない色々な奥行きのある人間ドラマがある。作者が血反吐を吐きながら作ったものが人の心を打ったりするけれど、この映画はまさにそれ」と深い余韻のある作品だと解説していた。
“山田”を止めるべく奔走する刑事・国枝役の佐々木は「明らかにフィクションで己自身も出ているのに、観終わった後に現実味を帯びた生暖かい感覚があった。それくらい刺さるような殴られるような衝撃、根源的なものがあったのだろうと思う。それくらい僕自身、あまり観たことのないような映画を観たという感じ。虚構なのにリアリティを感じる。これぞエンタメ」と太鼓判を押していた。

城定監督は、佐藤による脚本を一読して「面白いけれどこいつは難産になるぞ」と思ったそうで「二朗さんの熱量が本作の企画を通したと思う。僕が出しても絶対に通らないであろう変で面白い映画をやって良いんだという喜びがあった」と声を弾ませて「現場は凄く楽しくて結果的に安産でした!」と手応え十分だった。
作品の内容にちなんで「消し去ってしまいたいこと・もの」をそれぞれ発表。佐藤は「舞台挨拶ってなんでも“ちなみ”がち!」と笑いつつ「僕は自分の五十肩を消し去りたい」と切実で、丸山は「自分の弱さを消し去りたい」、酒好きの佐々木は「飲んだ次の日の朝の血中アルコール濃度を消し去りたい」と自虐で笑わせた。