共にカンヌ国際映画祭コンペティション部門で万雷の拍手を浴びた両作品だが、華やかな賞賛の裏には特有の重圧があった。『黒牢城』の公式上映に客席で立ち会った濱口監督が「感無量でした」と語る一方、黒沢監督は当時の極度に緊張していたことを明かし、「(濱口監督が客席にいたことを)気づいてました。ただ怖くて、目線合わせるのが(笑)。ああいう場で、自分の映画をやるっていうのは初めての経験なので、緊張もしました」(黒沢)濱口監督も、上映中の恐怖はひとしおだったという。「上映中は非常に怖いものでして、非常に緊張して見ていたので、最終的にみんながどうも楽しんでくれたらしいという表情で拍手や歓声を上げてくれたということは本当によかったです」(濱口)

黒沢監督は、世界最高峰の舞台であるカンヌでの拍手が持つ“本当の価値”について、「コンペティションとなると中には『俺は認めないぞ』とか、そういう人も混じるんですよ。その後カフェで『今見てきた映画がどんなにつまんなかったか』を楽しそうに話し合っている。恐ろしい場所ですよ(笑)。だから、そこでのコンペティションでの拍手は全然別物です」(黒沢)

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