続いて話題は、カンヌ国際映画祭での世界初上映を皮切りに海外メディアから“最高傑作”との称賛が相次ぐ中、米国の著名な業界誌「The Hollywood Reporter」の評論家が本作に寄せた、「『黒牢城』は刀ではなく言葉で斬り合っている。従来のエンタメ時代劇とは異なり、言葉に重きを置いた密室劇のような重厚なスタイルだ。」という大絶賛のコメントへ。

これを受け、「劇中やこれまでの人生において、まさに“言葉で斬られた”と感じるような、心に深く刺さった言葉は?」という、本作の核心に迫る質問が投げかけられた登壇者一同。本木は撮影中に黒沢監督から聞いた「主人公をギリギリのところまで追いつめて突き落としてから解放する物語が好き」という言葉を挙げ、「全ての黒沢作品に通ずる凄い言葉だと思った」と感心。菅田はそんな黒沢監督から「ホラーが似合う」と言われて嬉しかったそうで、本木も「確かに!読めないような恐ろしさが残る。静かな威圧感がある」と納得し、「監督的にはどういう意味合いだったんですか?」と再びトークを回していた。

吉高は「昔おばあちゃんに『あんたは橋の下で拾ってきた』と言われて、それが衝撃でみんなに『私は拾われたらしいよ!』と言いふらした。それを今度はおばあちゃんが商店街の人から聞いたみたいで、物凄く焦って『違う!違う!』と。それが衝撃的でした」と笑わせた。オダギリはベートーヴェンの名言という「苦悩を突き抜けて歓喜に至れ」を金言にしていると言い、青木は本作で共演した渡辺いっけいからの「この歳でお酒が飲めるようなった」という驚きの発言に斬られたという。

そんな中、宮館は「本木さんから『館様はカメレオン俳優』と仰っていただいて、そこで夢が出来ました。是非そうなれるように頑張ろうと。これから色々な作品に出会って、本木さんからいただいた言葉の意味を確かめながら」としみじみ。最後の最後に「自分で道を切り拓いていく努力をさせていただこうかなと…」と力を込めるも、「おめ、おめぇました!(思いました)」とまさかの甘噛み…!

これに本木が「バラエティ担当に思われているようで、こういう風に自然に立ち振る舞える身体能力も高い!カメレオンだから!」などとフォローしようとするも、その横で吉高は「おめぇました!?」とツボに入ってしまい、大爆笑で「もう転びまくってるじゃん!」とお腹を抱えて会場の笑いを誘った。

一方、柄本はかつて共演した石倉三郎からかけられたという「やりすぎず、逃げ道を作ることが粋だからな」という金言を紹介。黒沢監督は、村重が威厳を示すシーンの撮影後に本木が漏らした「向いていない…」というストイックな言葉を挙げて「本木さんは頑張ってやるけれど、やった後に『向いていない…』と正直に現場で言う。大スターってこういうことなんだと思いましたし、荒木村重ってそういう人だったんだろうとその瞬間に思った。撮影中は最初からずっと心に本木さんの言葉が残っていましたね」と述べていた。これに本木は「それにずっともがき苦しんだ二カ月だったのは確かにあります。黒沢監督の演出も全体的にとにかく決めつけないでくれという、人間の揺らぎがあってこその荒木村重らしさに繋がるという事だったので、私も監督のそうした言葉に救われていました」と感謝した。

最後に、一同を代表して熱いメッセージを送った黒沢監督。「戦国時代を描く作品は色々ありますが、誰が勝ったとか、誰が天下を取ったとかそういう話が多い。荒木村重はそういうところから抜け出した方。どっちが勝った負けたということをやめて、城を逃げ出した方。そんな村重に、僕は非常に心打たれました。現代にもこういう生き方は通じるのではないかと思っているので、この映画からぜひ興味をもっていただいて、この映画を元に彼について学ばれたり、今の時代をもう一度考え直したりしていただけると嬉しいです」と、監督が優しい眼差しで訴えかけると、登壇者一同は大きく頷き、会場内はもちろん、同時中継された全国の劇場からも盛大な拍手が巻き起こった。

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