母をなくした朝子を一人で育てた祖母・東浜道代役の原田は「中野監督は本当にナイーブで、静かに物事が進んでいくような現場でした。登場人物たちも愛情深いけれど、愛情表現が下手。そのちょっとしたずれのニュアンスを芝居で表現するので、淡々と撮影は進んでいきました」と回想した。

『湯を沸かすほどの熱い愛』以来、約10年ぶりの完全オリジナル脚本となる中野監督は「オリジナルは自由度が凄く高いけれど、それだけに答えのないものを探して作っていく面白さがありました。ここにいるメンバーと共に毎日頑張ってこの物語を作り上げました。自信作です」と手応えを口に。人を殺めるというテーマにも初めて挑戦し「ずっと避けていた事だけれど、新しい事をしたくて今回チャレンジしました。でも答えが出るような話ではないので、登場人物はこの先どう生きていくのかを真摯に描く事が一つの答えだと思ったので、ひたすらに考えて二人の未来を描きました」と述べた。

13年前の事件の真相を探っていくストーリーにちなんで、最近知った真実や出来事をフリップに書いて発表。坂口は「泣く芝居」と書いて「ドラマや映画だけではなくて、ちょっとした映像作品でも泣くことが凄く多い」と自己分析。本作にも泣きの芝居があり「面会室のシーンでは、ありがたいことに幼い頃の朝子と過ごした後に大人になった朝子とのシーンが撮れたので、憩ちゃんの声を聞いてるだけで過去の思い出が蘇って泣いちゃう。いつの間にか僕も涙腺が緩くなった」などと打ち明けていた。
